荒部 好

『クラリモンド』

19世紀フランスのロマン主義文学者で、バレエ『ジゼル』を着想し台本にも参加したテオフィル・ゴーチェの『クラリモンド』が、ダンス・ミュージカルになり、全国各地で公演を行い好評を博した。(「Dance Cube」アプローズ・ダンス!WEST From Nagoyaに公演評が掲載されている)
早速、7月末にはDVDが発売されるので、ご紹介しよう。

若いカトリックの僧ロミュオーが、吸血の死の女神クラリモンドの官能の虜となって禁断の愛に身を焦がす、という物語である。
歌とダンスとナレーションでゴチック風のロマンが繰り広げられる。そして二人の愛の遍歴には、いつも3人の悪魔と堕天使が姿を表し、ロミュオーの心の葛藤を曝け出して見せる。

3人の悪魔は、舘形と森山が対になって妖しく絡み、ロミュオーをあざ笑うかのように踊る。さらにリズム・タップを操る熊谷は不気味な地獄の音を響かせる。こうしたダンス・シーンの使い方はなかなか上手い。大島早紀子の見事に耽美的な振付が、物語の雰囲気を突き破って新たな地平へと観客を誘う。大島の実力を生かした演出といえるだろう。
安寿のクラリモンドが放つ魔術的なオーラが、貴水のロミュオーに次第に迫っていくハラハラ感もなかなかおもしろかった。

特典映像には、クラリモンドとロミュオーのトークや3人の悪魔のコメントも収められているので、こちらも楽しんでいただきたい、と思う。




原作/テオフィル・ゴーチェ 企画・台本/笹部博司 構成・演出/栗田芳宏 演出・振付/大島早紀子 音楽・演奏/宮川彬良
出演/安寿ミラ、貴水博之、舘形比呂一、森山開次、熊谷和徳ほか
2006年サンシャイン劇場

本編85分、特典映像46分
発売元/株式会社キョ-ドー東京、株式会社シアター・テレビジョン

*特典映像
1)安寿ミラ&貴水博之トーク
2)舘形比呂一&森山開次&熊谷和徳
3)ダンスシーン・ボーナストラック

ダンス・ミュージカル
『クラリモンド』
\7,000 (本体価格\6,667 )