荒部 好

ウィリアム・フォーサイス

『フロム・ア・クラシカル・ポジション』は、1992年に収録されたもの。フォーサイスとダナ・カスパーセンによる、ダンスの基本的な流れを見せる動きが映しだされている。このデュオの動きからダンスが創られるということを感得させる、フォーサイス的な説得力が感じられる映像である。音楽はフォーサイスとコンビを組むことの多いトム・ヴィレムス。
 もうひとつの映像は、映画『リービング・ラスベガス』の監督、マイク・フィギスによるドキュメンタリー『ジャスト・ダンシング・アラウンド』。フォーサイスとフランクフルト・バレエ団が3週間後に、『失われた委曲/ザ・ロス・オブ・スモール・ディテール』の初日を控えたリハーサルから始まる。
 そして、フォーサイスと彼の優秀なダンサーたちが紆余曲折を経ながら、初日の幕が開き、フォーサイスが大喜びするまでを描いている。
 また、フィギス監督によるインタビュー映像も収録されている。ここでは、アメリカ人フォーサイスが、アステアに熱中した日々やダンス・コンテストに参加した頃のことなど、青春時代の思い出を語っているのが印象深い。
 今日のコンテンポラリー・ダンスの最先端をゆく、フォーサイスのアーティストとしての面と人間的な面を両面から描き出した映像で、フランクフルト・バレエ団の最後の日々を捉えているいるという意味でも貴重なDVDである。
 


『ウィリアム・フォーサイス』フロム・ア・クラシカル・ポジション
WILLIAM FORSYTHE FROM A CLASSICAL POSITION JUST DANCING AROUND?
ワーナーミュージック・ジャパン発行
4,900円 (本体価格4,667円)