荒部 好

『パキータ』パリ・オペラ座バレエ

 『パキータ』は1846年、パリ・オペラ座でカルロッタ・グリジとリュシ アン・プティパ(マリウスの兄)によって初演された。振付はジョゼ フ・マジリエ、音楽はエドワルド・デルデヴェズだった。その翌年、プ ティパはサンクトペテルブルクに『パキータ』を踊ってデビューしてい る。81年には、プティパがミンクスの曲を加えて再振付した。その後、 第2幕の子供のマズルカ、パ・ド・トロワ、グラン・パだけが残り、ガラ ・コンサートやバレエ学校公演などではしばしば上演されたが、ロマン ティック・バレエ特有のマイムなどは失われてしまっていた。2001年、ロ マンティック・バレエに造詣の深いピエール・ラコットが、パリ・オペラ 座のために復元した。ここに収められているのは、03年にガルニエで収録 されたラコット版である。

 『パキータ』の魅力は、グラン・パの多彩を極めるヴァリアシオンであ る。若き日にスペインを旅行し、独特の情趣あふれる民俗性に魅了された プティパが、粋を凝らして振付けている。『ラ・フィーユ・マル・ガルデ 』や『ジゼル』と並ぶ古い作品だが、特に第2幕は、物語のない華麗で豪華 なシンフォニック・バレエとなっている。ラコットの復元は、舞踊譜によ る厳密なものではないが、ルテステュ、マルティネスを始めとするオペラ 座の粒ぞろいのダンサーが、素晴らしい踊りを見せ見事な舞台を創った。

  なお、パリ・オペラ座の『パキータ』公演については、「ワールドレポート<パリ>」(03年1月5日号)で渡辺真弓さんが詳しく述べているので、ぜひ 参照していただきたい。




 

「パキータ(全2幕)」
102分
TDKコア
5,040円 (本体価格4,800円)