荒部 好

『ジュエルズ』パリ・オペラ座

 バランシンの精妙な振付の『ジュエルズ』を、パリ・オペラ座バレエ団のきらめくダンサーたちが、パリ・オペラ座管弦楽団の演奏にのせて踊る舞台を観る、ということは、現在、バレエを楽しむ最高のコースのひとつかもしれない。
 周知のように『ジュエルズ』は、宝石の輝きを映した美を、3人の作曲家の音楽を使って振付けた傑作バレエである。
 3人の作曲家と曲は、「エメラルド」は、フランス人のガブリエル・フォーレ。曲は『ペレアスとメリザンド』『シャイロック』から。「ルビー」は、イーゴリ・ストラヴィンスキーの『ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ』。「ダイヤモンド」は、ピヨトール・チャイコフスキーの交響曲第3番ニ長調「ポーランド」より。となっていて、1967年にニューヨーク・シティ・バレエ団が本拠地のステイト・シアターで初演している。初演はダンボアーズ、ファレル、ニアリー、ヴィレラ、マクブライト、ヴェルディほかが踊っている。
 バランシンは、ニューヨークのヴァンクリーフとアルペレスの宝石コレクションを見てインスピレーションを得て振付けた、という有名な話が残されている。
 ロマンティックな雰囲気と活力あるダンス、壮麗なポロネーズによる完結、という古典を尊重したプロットレスのフルレングス・バレエで、バランシン芸術を総括するような作品といえるだろう。
 オーレリ・デユポン、マリ=アニエス・ジロ、アニエス・ルテステュ、クレールマリ・オスタ、レティシア・ピジョル、ジャン=ギヨーム・バール、カデル・ベラルビ、マチュー・ガニオなど錚々たるオペラ座のダンサーが出演している。

 


振付/ジョージ・バランシン
音楽/「エメラルド」ガブリエル・フォーレ
「ルビー」イーゴリ・ストラヴィンスキー
「ダイヤモンド」ピョトール・チャイコフスキー
衣裳/クリスチャン・ラクロワ
演奏/ポール・コネリー指揮 パリ・オペラ座管弦楽団
ピアノ/ジャン=イヴ・セビヨット
パリ・オペラ座バレエ
『ジュエルズ』
TDK
5,040円(本体価格4,800円)