(荒部 好)

『椿姫』パリ・オペラ座バレエ

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ジョン・ノイマイヤー振付の『椿姫』は、今年の2月から3月初めに掛けて、パリ・オペラ座ガルニエ宮で上演され、観客を大いに沸かせた。
今回刊行されたDVDは、2008年7月にやはりガルニエ宮で収録された舞台だが、マルグリットをアニエス・ルテステュ、アルマンを去る6月2日にエトワールに昇格したばかりのステファン・ビュリヨン、ムッシュ・デュヴァルをミカエル・ドナール、プリュダンスをドロテ・ジルベール、ガストン子爵をカール・パケット、マノンをデルフィーヌ・ムッサン、デ・グリューをジョゼ・マルティネスが踊っている。

当初は、アルマンにエルヴェ・モローが扮することになっていたが、怪我のために急遽、ビュリヨンがノイマイヤーのリハーサルを受けて撮影された、という。とはいえ、なかなか豪華なキャストで、現在のパリ・オペラ座のベストメンバーの一組といえるかも知れない。
当時ビュリヨンは、07年末にプルミエ・ダンスールに昇格したばかりだったが、切なさを訴えるピュアな表現が素晴らしい。オペラ座のメインともいうべき作品の大役を踊って、見事な成功を収めている。アルマンは彼の当たり役となるのではないだろうか。演劇的な技巧を凝らしたノイマイヤーの振付には、なかなか得難いキャラクターなのかも知れない。
悲劇の女性を踊るルテステュは美しい。奥行きのあるきめ細やかな演技力が描くマルグリットには、思わず知らず魅入られてしまう格別な魅力がある。
パリ・オペラ座バレエ団の実力を思い知らせれる映像である。
特典映像には「椿姫への追想」というドキュメンタリーとストーリー紹介が付いている。

パリ・オペラ座バレエ『椿姫』(プロローグ付・全3幕)

振付/ジョン・ノイマイヤー、音楽/フレデリック・ショパン、演奏/ミヒャエル・シュミッツドルフ指揮、パリ・オペラ座管弦楽団。ピアノ/エマニュエル・ストロッセル、フレデリック・V・クニッテル。
収録/2008年7月 パリ・オペラ座ガルニエ宮。131分+60分

コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社
¥5,040(税込)2枚組