(荒部 好)

『シンデレラ』オランダ国立バレエ団

クリストファー・ウィールドン振付
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2011年2月に英国ロイヤル・バレエ団に『不思議の国のアリス』を振付け、大ヒットさせたクリストファー・ウィールドンが振付けた『シンデレラ』。
ウィールドンは『シンデレラ』を新たに振付けるに当たって、過去のこの作品の多くのヴァージョンをフォローし、物語の基となっているグリム童話やシャルル・ペローの童話も調べた、という。
まず、オープニングは幼いシンデレラが慈しんでくれた母と死に別れるシーン。母のお墓で嘆いていると、そこから緑の木が育ち始める。
成長したシンデレラは継母に使用人のように使われ、義理の姉たちは意地悪だ。後に出会うことになる王子は、偉大な家系にプレッシャーを感じている。そして立派な花嫁を見つけるための舞踏会を開催することになる。その招待状を配布する時に、王子は側近のベンジャミンと入れ替わる。シンデレラの家では、王子は側近のとして振る舞う。義母はシンデレラの舞踏会への招待状を無情にも暖炉に投げ入れ、義理の姉たちとめかしこんで出かける。
母の墓から育った1本の木は大きく緑豊かに育つ。ここから四季の精が現れ、シンデレラは仮面を着けて宮廷に行く‥‥。
宮廷で王子とシンデレラが出会い、4人の男性ダンサーが踊る「運命」のサポートもあって、物語は進行していく。
舞踏会に集った人々が全員ヴェランダに出て星空を眺めてシルエットとなった時、シンデレラは王子と愛のパ・ド・ドゥを踊る。このシーンはなかなかロマンティックな雰囲気があって、とても良かった。義母が酔っぱらって、二つのワイングラスを持って踊るシーンもおもしろかった。『不思議の国アリス』のゼナイダ・ヤナウスキーほどではないが、義母役のラリッサ・レジュニナも迫力がありかつ妖しくしかし人間的な演技と踊りで巧みに魅せた。
来年には英国ロイヤル・バレエ団に移籍することが決まっている王子役のマシュー・ゴールデングは、コミカルな味を活かしながら素敵に演じている。ボリショイ・バレエ団出身でタイトルロールを踊ったアンナ・ツィガンコーワは、すらりとしたプロポーションで爽やかに踊って舞台を盛り上げている。
ウィールドンらしいスピーティな展開の中に、妖精キャラクターたちも登場して、にぎやかな物語にハートウォーミングな味のオリジナリティを感じさせた『シンデレラ』だった。

『シンデレラ』オランダ国立バレエ団
シンデレラ:アンナ・ツィガンコーワ
ギヨーム王子:マシュー・ゴールディング
継母:ラリッサ・レジュニナ
義姉:ミーガン・Z.グレイ、ナディア・ヤノウスキー
他 オランダ国立バレエ団
振 付・演出:クリストファー・ウィールドン
音 楽:セルゲイ・プロコフィエフ
美 術:ジュリアン・クローチ
演 奏:エルマノ・フローリオ指揮 Holland Symfonia
2012年12月 オランダ国立歌劇場での収録

特典映像
ドキュメンタリー、キャスト・インタビュー、振付家ウィールドンのコメント
収録時間    139分

オープン価格