(荒部 好)

『Yondering 』ジョン・ノイマイヤー振付

The Prix de Lausanne presents

2008年のローザンヌ国際バレエコンクールでエキジビションとして上演された『Yondering ヨンダリング』がDVDになって発売された。この作品は1996年、カナダナショナル・バレエ・スクールにノイマイヤーが振付け、トロントで初演された。その後、オペラ座のバレエ学校やハンブルク・バレエ・スクールのレパートリーに採り入れられた。ローザンヌ国際バレエコンクールのコンテンポラリーの課題曲だったり、パリ・オペラ座バレエ学校の来日公演で上演されたこともある。

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全編、バリトン歌手、トーマス・ハンプソンによるフォスターの名曲『金髪のジェニー』、『夢みる人』など7曲で構成されている。このエキジビション上演では、この作品をレパートリーとする3つのバレエ学校の生徒たちが踊った。
若々しいダンサーたちがノスタルジーを誘う美しい歌声にのせて、ノイマイヤーの情感の込められた振りを踊る。少女や少年たちの青春の出会いや恋、苦い経験などを表すダンスが盛り込まれ、感傷的な気分に溢れるステージである。「そうだ、若い時は簡単に恋が生まれ、そして消えた・・・」などとたわいない感想も浮かんだりした。
ダンサーたちの中には、オペラ座の元エトワール、ローラン・イレールの愛娘、ジュリエット・イレールや、今年スジェ昇格直後にロビンズの『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』でガニオの代役で「緑」を踊ったピエール=アルチュール・ラヴォー、5月の『マノン』では浮浪者の頭を踊ったユーゴ・ヴィリオッティ(コリフェ)などの顔も見える。私は往年の名ダンサー、ケヴィン・ハイゲンの名前が振付のアシスタントにクレジットされていて嬉しくなった。
<ヨンダリング>とは、西部開拓時代の未開拓の地を彷徨い歩くことだそうだ。西部小説家ルイス・アラームのペーパーバックに『ヨンダリング』というショートストーリー集があるから、あるいはアメリカ人のノイマイヤーにいくらかのインスピレーションを与えているのかも知れない。

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また、「第39回ローザンヌ国際バレエコンクール2011 ファイナル」のDVDも発売されている。
このときの審査員長は英国ロイヤル・バレエ・スクール校長のゲイリン・ストックで、日本からは神戸女学院教授の島崎徹が審査員として参加していた。20名がファイナルに進出して、7名が入賞した。もっとも高得点だったのはブラジル人のマヤラ・マグリ。『コッペリア』のスワニルダのヴァリエーションとコンテンポラリーではキャシー・マーストン振付作品を踊った。ラテン系民族らしく、音楽を身体の中にとりこんでしまっているようで、踊りが自然に楽しく感じられるところが評価されたのだろう。日本人は加藤静流と小嶺沙耶、堀沢悠子の3人が入賞した。
今年開催されてまだ記憶にも新しい、第40回ローザンヌ国際バレエコンクール2012のDVDも発売が予定されているので、またご紹介出来ると思う。

『Yondering 』(輸入版)
振付・衣裳/ジョン・ノイマイヤー、音楽/ステーブン・フォスター、バリトン/トマス・ハンプソン、振付アシスタント/ケヴィン・ハイゲン。34分、日本語字幕なし
輸入・発売元:エリア・ビー

『第39回ローザンンヌ国際バレエコンクール2011 ファイナル』
(C)Prix de Lausanne 2011  104分 日本語字幕(音声:フランス語)
価格4,935円(税込)
発売元:有限会社エリア・ビー