(荒部 好)

パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング シーズン2 2013~2014 『バランシン/ミルピエ』

パリ・オペラ座のライヴビューイングとして、ガルニエ宮で6月3日に上演された『水晶宮』(バランシン振付、ジョルジュ・ビゼー音楽)と『ダフニスとクロエ』(ミルピエ振付、モーリス・ラヴェル音楽、世界初演)の映像が上映される。いよいよ来シーズンより芸術監督に就任するパンジャマン・ミルピエのための、露払いの企画ともいえるだろう。

1408cinema_main.jpg © hd leiber「水晶宮」

『水晶宮』は、今回の上演のために新たにクリスチャン・ラクロワがデザインした色鮮やかな衣裳が素晴らしい。
ビセーが弱冠18歳で作曲した「交響曲ハ長調」の四つの楽章に沿って、バランシンの揺るぎない振付が展開される。今年3月5日にエトワールに任命されたアマンディーヌ・アルビッソンとマチュー・ガニオを初め、ルドミラ・パリエロ、カール・パケット、ピエール・アルチュール・ラヴォー、エマニュエル・ティボーなどのプリンシパルを中心に華やかに踊り、コール・ド・バレエとともに様々なヴァリエーションを繰り広げる。そして最後は全員が舞台に登場して圧巻のフィナーレとなる。
続いて『ダフニスとクロエ』。原作は古代ギリシャの作家ロンゴスがレスボス島を舞台に少年と少女の純愛を牧歌的に描きだしたもの。バレエ・リュスでディアギレフの依頼に応えてラヴェルが作曲し、ミハイル・フォーキンが上演した。その後はアシュトンが振付けている。
今回の上演にあたっては、オペラ座の音楽監督フィリップ・ジョルダンが指揮し、様々なアドヴァイスも行ったという。美術を担当したのはダニエル・ビュレン。背景には、円と正方形、長方形といった単純な図形を縁取りし、様々な色彩の光を当てて変化させ、シーンのモティーフと対応させた。衣裳は白と黒のモノトーンで、背景の図形との組み合わせがたいへん美しい。物語の視覚的=現実的なものをすべて抽象化して、感情の変化を描く。その方法が、少年と少女の純愛(人類が初めて知った愛)を表わすのに適していたので、成功した舞台である。しかし、これはひとつの優れた方法と言えることは間違いないが、決して唯一無二の方法では無いこともまた確かである。

1408cinema_01.jpg © hd leiber「水晶宮」 1408cinema_02.jpg © anne_deniau_onp パンジャマン・ミルピエ

 

パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング シーズン2 2013~2014
『バランシン/ミルピエ』

9月12日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開

© leiber
 
現地上演日:2014年6月3日
『水晶宮』
音楽:ジョルジュ・ビゼー 振付:ジョージ・バランシン
出演:アマンディーヌ・アルビッソン、マチュー・ガニオ他

『ダフニスとクロエ』

音楽:モーリス・ラヴェル 振付:バンジャマン・ミルピエ
出演:エルベ・モロー、オレリー・デュポン、エレオノーラ・アバニャート他