(荒部 好)

『至高のエトワール〜パリ・オペラ座に生きて〜』

AGNÈS LETESTU L'APOGÉE D'UNE ÉTOILE

2013年10月10日、16年間務めたパリ・オペラ座の最高位エトワールを'アデュー'したアニエス・ルテステュ。彼女のエトワールとしての最後の公演に至るまでを2年間に渡ってドキュメントした『至高のエトワール〜パリ・オペラ座に生きて〜』が劇場公開される。監督はドミニク・カルフーニとマチュー・ガニオの母と息子のドキュメンタリー『マチュー・ガニオ&カルフーニ〜2人のエトワール』、ギレーヌ・テスマートとピエール・ラコットを描いた『バレエに生きる〜パリ・オペラ座のふたり』、さらに『アニエス・ルテステュ/美のエトワール』を手掛け、オペラ座のダンサーたちの実際を知り抜いているマレーネ・イオネスコ。
アニエス自身が演目に選んだ『椿姫』(ジョン・ノイマイヤー振付、フレデリック・ショパン音楽)を踊って、最良のパートナーだったジョゼ・マルティネスやエトワールのオーレリー・デュポンなどに祝福され、ガルニエ宮が大喝采に包まれたルテステュのアデュー公演は、既に、語りぐさとして語り継がれている。

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この映画は、マルティネスが振付けたオペラ座の『天井桟敷の人々』から始まる。そしてヌレエフ版の『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』『シンデレラ』から、バランシンの『放蕩息子』、キリアンの『輝夜姫』、カールソンの『シーニュ』、フォーサイスの『Woundwork1』、ロビンズの『ダンサーズ・アット・ア・ギャザリング』、ラコットの『賭博師の手紙』『祝典』の舞台映像が挿入される。また、今シーズンで18年間にわたる重い職責を終えたオペラ座芸術監督ブリジット・ルフェーブルを始め、マルティネス、フオーサイス、キリアン、カールソン、ラコット、テスマーなどが、彼女のエトワールとしての業績を讃える。そして観客は、ルテステュの豊かなレパートリーと著名な舞踊家との深い関わりに、改めて深い敬意を感じることになる。
さらに彼女は舞台衣装のデザインも本格的に始めており、『天井桟敷の人々』などの大作で成功を収めている。この仕事は、今後さらに増えて行くことになるだろう。また、アニエスの私生活のパートナーも姿を見せ、幸せな人生をおくっている様子も垣間見えた。
20世紀後半から21世紀初頭に掛けて、パリ・オペラ座の舞台を中心となって支えたアニエス・ルテステュの人生のひとつのクライマックスを描いた忘れ難い映画である。

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『至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて~』  
© 2013 Delange Productions all rights reserved.
11月8日(土)、Bunkamuraル・シネマほか、全国順次ロードショー!

監督:マレーネ・イヨネスコ(『バレエに生きる~パリ・オペラ座のふたり~』)
出演:アニエス・ルテステュ、ジョゼ・マルティネス、ローラン・イレール、ステファン・ビュリョン
2013年/フランス/フランス語・英語/ 93分/カラー/デジタル/ 字幕翻訳:古田由紀子
原題: Agnès Letestu – L’apogée d’une Étoile
配給:アルシネテラン
http://www.alcine-terran.com/shiko