荒部 好

『変身革命』

夏まゆみ/著
  モーニング娘。の全シングル曲、志村けん、郷ひろみ他のアーティストの振付を手掛け ている、夏先生の本が出た。
  とっても親しみやすい話し言葉でポンポンと、いつも思っていること、感じていること 、チャンスがあったら話そうと思っていたこと、が快適なテンポで書かれている。とにかく 夏先生は、いいダンスを創りたい、というシンプルな想いをダイレクトに表現する。その想 いがいちばん強いから。すると、80年代後半生れのモーニング娘。たちが「私たち夏先生に 変身させられました」って、分かってしまう。この見事な環境は、もしかすると、ダンスだ から、全身を使って表現するダンスだから、自分自身をごまかすことのできないダンスだか ら作れるのかもしれない。この本を読むとそんな気もしてくる。

  まず第一章では、自分の生き方を語る。この章はいちばんアツイ。次に、モーニング娘 。の一人一人と対談とインタビュー。夏先生はほんとによくモーニング娘。たちのキャラク ターをつかんでいる。ダンスで向き合うと、言葉で話す以上のことが、もっと深いところが 理解できるから。最後の章は、夏先生とダンスのお話で「ジャネット・ジャクソンになりそ こねる」がおもしろい。夏先生がアポロシアターの「アマチュアナイト」で踊って、スタン ディング・オベーションをとり、スカウトされた帰国前夜の話。ほかにも、イギリスでクラ シック・バレエを習い始めた時のこと、踊っていて涙があふれてきたニューヨーク物語、実 際に振付を具体的に創る「ひとりアイドル状態」、振付のオリジナリティについて、ダンサ ーや振付師の立場のことなど、夏先生という素晴らしいコレオグラファーが形成されていく 様子がよくわかる一冊です。



「変身革命」
著者: 夏まゆみ
発行: (株)ワニブックス
価格: \1,300(税抜)