峯岸道子、藤村のぞみ 著

『笑顔の未来へ』

ヨガガインストラクター峯岸道子は横浜・関内で「BODY and MIND YOGA」を主催している。「ヨガの先生だっていろいろ大変だったりする」というコピーがついたこの本はカメラマン藤村のぞみが切りとった峯岸の日常が写真と丁寧な文章で綴られている。
自身の息子を先天性の筋ジストロフィーの末の自死で亡くし、峯岸自身も心臓ペースメーカーを抱える。

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「もっともっと多くの人がヨガをできる環境」のためハンデキャップヨガを考案し教師を養成する。そんな峯岸を囲む人たち。カメラの向こうから見守る藤村の言葉はとても短いがその分写真が物語る。
ヨガのクラスの写真もたくさんある。誰もカメラを意識していない、ように見える。藤村がいかにたくさんの時間をこの本の撮影に費やしたのかが見えるように感じた。
藤村は人の表情を切りとるのがとても上手い。
笑顔の写真はもちろんある。それ以外にも生徒を見つめる峯岸の真剣な目。クラスで困る人がいないようにと念入りに打ち合わせをするスタッフの様子。ハンデキャップヨガのクラスで次第にリラックスできるようになっていく息子を見つめる母親の姿。思わず涙ぐむインストラクター。もう今はいない息子のことを思い出し語る学校の先生。そして優しい横顔のもうひとりの峯岸の息子。
この本は峯岸道子というひとりのヨガインストラクターのバイオグラフィー本にとどまらず、ある期間の様々な人々の人生の輝きを切りとって集めた写真集としても楽しめる一冊である。

『笑顔の未来へ』
峯岸道子、藤村のぞみ 共著
エイ出版社刊
定価1,050円(税込)