フリーランスは、仕事を拒まず取るので、結果全然お休みがない、という時もあったり...

フリーランスは、仕事を拒まず取るので、結果全然お休みがない、という時もあったり、ひとつ仕事を受けた後に他の仕事が来て断らないといけない、ということがあります。もちろん、お休みが長くて仕事を探すのに必死の時もありますけど。:)

今回は、お芝居の振付の仕事と、TBE(まだ5名だけ募集中です)の仕事、春にある針山バレエの発表会の振付と忙しいときに、イギリスからメールで怪我人が続出で『Sleeping Beauty』に直ぐに出演してくれないか、と来ました。
マシューからも真実がイギリスに来て出演できますように。とメールを頂きました。
でも、無理です。La Guardia高校の振付の仕事やTBEの仕事を引き受けているのでイギリスには行けません。丁寧に状況を説明してお断りしますが、毎回断るときは気持ち的にすっきりしませんよね。
でも、今回はカンパニーに私に急に聞いているので理解してくれています。
また、私も今やっている芝居の振付は縁があって私がやるべきなのだ、と強く感じますし、TBEの仕事も日本の受講者が楽しみに待っているので代わりの人ではなく自分が責任を持ってやりたいので、なるべくしてなったという気がします。
マシューのカンパニーも100人以上ほどのダンサーたちがいて、アメリカにいる40代半ばの私に出演依頼があるのはとても嬉しいので、やはりいつでも動けるようにレッスンをしていないと、と改めて思いました。感謝です。

でも、今やっている『Stage Beauty』の振付のお仕事はとても面白いです! ミュージカルではなくお芝居なので、ダンスシーンはありません。台本を読んでイメージして、このシーンと次のシーンの間にムーブメントが入れられる。この二人のベットシーンをアームス(両腕)を絡ませて証明でフェードアウトする。などアイデアが出てくるととても面白いです!
もちろん演出家に提案して、OKだったり、私は想像しなかったけど、演出家からここに動きを入れられる?など提案があったりと、オリジナルのクリエィティブな仕事ができるのは良いですね。
大変なのは、音楽を探さないといけないことです。特に17世紀の話なので、その時の音楽、映画に使用されている音楽など100曲以上聞いてやっと1曲見つけます。もちろん編集が必要だったり、また決まった音楽があって振付けるのではないので、ほとんどが音楽なしで振付け、後で見つけた音楽に合わせたりと変更しています。

資料にした17世紀のムーヴメントの写真

資料にした17世紀のムーヴメントの写真

振りはほとんどセリフやイメージやその時のシーンのタイトルのようなのを決めて、そこから想像して役者の生徒たちと創ります。
ダンサーに振りをつけるのではなく、役者の生徒に振りを付ける時は、誘導して振り役から一緒に作る方が面白いですし、動きに無理がありません。
ただ1曲、クラシックとロックが重なった曲を見つけ、2幕の頭に芝居が始まる前に唯一ダンスシーンを入れたくなりました。
これは、音楽が先に決まったので、その音楽に1幕で180度変わってしまった主人公の人生を、宇宙や渦にのまれる感じで振り付けをしました。もちろんダンサーたちではないので、テクニック的には難しくないように、下手に見えないように工夫しましたが。
1幕を通して、私と演出家が入れたムーブメントのシーンが芝居とかみ合っているか、選んだ音楽があっているかなどチェック中で、2幕の振付に入っています。
TBEで日本に行く前に全部終わらせて、私が4月に帰ってきた時は、本番の1週間前なので、最後の仕上げを衣装やセットなど見て、照明も合わせるので緊張していますが、なぜか自信があります。

資料にした17世紀のムーヴメントの写真

資料にした17世紀のムーヴメントの写真

1シーンだけ劇中劇でオペラのコメディのシーンがあり、これがアイデアが出てこない!数週間たっても出てこず、もうスタジオに行ってその場でやろう。と決めました。生徒や演出家の前で逃げ場がなく、そしたらアイデアが出てくるかも。と一か八かです。
はい、少しその場でアイデアが湧きました。それに合わせて動きを創り、また歌詞もあるので、その歌詞に合わせて振りも創り、後は創ったのをつなげて・・・そこからまたアイデアが湧くのを待っています。(笑)
でも、振りが出ない時は出ないので仕方がないですよね。役者の生徒たちがアイデアを出してくるときもあるので、これは一緒に創っていて楽しいです。アメリカの生徒たちは演出からどんどん意見を言います。もちろん、気持ち的に無理があるなども。それをこう考えて演じてごらんとか、そのアイデア良いねともらったり、それは違う、など却下したりしますが、受け身だけではないので良いです。
だれも、生徒が振りや演出に意見を言って生意気に、とは思いません。アメリカは学生の時から自分の意見を言う、質問する、相手の意見も取り入れるなどコミュニケーションの能力は鍛えられているなと思います。

よく、英語の先生が日本人に教える時は石に向かって教えている感じがする、と言うのを聞きますが、日本の生徒さんたちは言われたことをやれば良い、という教育なので、想像力を増やしたり、他人の違う意見も聞いて話し合ってグループで決めるなど、なるべくTBEの授業でも取り入れています。
バレエの生徒さん、どうぞこの年に1回のチャンスをお見逃しなく!

TBEは3/22から3/27まで東京の尚美ミュージックカレッジで開催されます。
27日(日)は、午後から見学可能です。ご希望の方はお問い合わせを下記のアドレスまでして下さい。又、ギリギリまで受講者も若干募集しているので勇気を持って、ブロードウェイ経験をしてみましょう!とっても有意義な授業を受けられますよ!
http://thebroadwayexperience.com/home-japan/

そして、大阪でもワークショップの予定があります。これは、私個人と友人の元劇団四季のメインキャストもされた広瀬真弓さんとです。3月30日(水)です。お子さんからダンサー、大人のコーラスの方まで参加出来るように3クラスあります。下記のウエブサイトをご覧ください。こちらでも皆様にお会いできるのを楽しみにしいます!
https://www.d-kintetsu.co.jp/bunka-salon/abeno/tokubetsu/

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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