新年、明けましておめでとうございます。

2013年も、「踊りある記」ともどもどうぞ宜しくお願いします。
今年も震災の影響を受け、苦しまれている方たちがいることを忘れず、出来ることからサポートしていくのを、心がけようと思っています。
日本、世界が平和で、希望に向かって1歩進む2013年となりますように。

さて、2013年の最初の舞台は何にするか、選ばれましたか?
私は、まだ決めていませんが、「踊りある記」には、新年に書こうと思っていた、『WAR HORSE』(戦火の馬)について、触れさせてもらいます。
『WAR HORSE』は、児童小説からのお芝居で、ウエストエンドで始まり、ブロードウェイでも、今でも大人気の作品です。スピルバーグ監督が、映画にもしたので有名ですが、一番凄いのは、このお芝居に出て来る南アフリカのマペットカンパニーのマペットの「馬」です。
1頭の馬を3人で操っています。顔を動かす人が一人、馬の外にいます。そして、前足と、後ろ足に一人ずつ。
マペットを動かすと聞いて、なるべく動かす人は見えない様に黒子などを想像していたのですが、きちんと見えます。それも馬の衣装の一部ではなく、普通の一人の人として。帽子までかぶっています。新聞売りの様な感じでもあります 。:)

Photo:Mami Tomotani

ところが、最初から全然それが気にならず、いつの間にか、馬しか見ていない自分にビックリです。また、馬の筋肉、表情もないのに、見えて来る素晴らしさ!
最初ブロードウェイで観た時は、一番安い席の一番上から下の舞台を覗く感じで、馬の大きさを気にならなかったのですが 、ツアーカンパニーがピッツバーグで普通の劇場で公演した時は、真ん中の良い席で観ました。それが、あまりの馬の迫力にビックリしました。これがたったの3人で動かしているとは信じられませんでした。
しかも、ブロードウェイもツアーも真ん中は女性です!
どれだけ大きいかというと、男性が立って、頭の位置が馬の下腹かそれをこしたぐらいでした!! もちろん、馬に乗るシーンは、二人の足場役の人が手伝って、でも普通通りにジャンプして乗ります。
私の好きなお芝居の一つで『エクウス』があり、馬を役者さんたちが演じますが、これも素晴らしいので、お勧め作品ですが、『WAR HORSE』は、自分の体ではなく、マペットを動かすので別の意味で凄いです。ちなみに、お芝居にしては大人数の役者さんが出演し、歌もあります。映像を使うセット、照明もとても素晴らしいです!
お話は、少年が育てた馬が戦場につれられて行き、離ればなれになり・・・という話ですが、馬の持っているラッキーが凄いので、それに関わる人たちもラッキーをもらえるかというと、そうでもなく、この馬に関わった人たちは、たいへんな目に合い・・・私の想像と違ったのですが、そうですよね、第一次世界大戦を馬の目から描いているので、悲惨なはずです。
フランスの女の子のシーンがありますが、舞台の子役の子たちは、凄いです。ブロードウェイの子は、かなり強い印象が残りました。なんていうのか、歩き方からフランスの田舎の子という感じで、馬小屋(観光地のではなく、家に馬を持っている方の馬小屋)を歩いたことがある方は、解ると思いますが、泥の中に足がすいつき、歩きにくい、足をいちいち高くあげないと歩けない、あの歩き方です。私も、夫の両親の姪と、友人が馬を持っていて、装備から手伝ったことがあるので、解るのですが。
上手に台詞を話すことは出来ても、この歩き方は、どうやって身につけたのかな? 指導はどうしたのかな ? と思いました。
私たちもマシューの作品のリハーサルで、キャラクターになってただ歩くことをしますが、言葉を話さず、ただ歩くだけでキャラクターを出さないといけないのは、かなり難しいです。そして、そこから少しその歩きを大げさにして、ダンスにしていくのですが、今、私が振付を担当しているミュージカル『Zanna Don't ! 』にも、最初の学校に行くまでのシーンがあり、このワークショップをするつもりです。
とても感動した作品なので、書くことがたくさんありますが、この辺で終わっておきます。今年は、たまには短く面白いのも書いてみようと、思っています。他にも初挑戦がありますが、報告が出来るまで待ってくださいね。

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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