"SPOLETO FESTIVAL"(スポレート・フェスティバル)をって聞いたことがありますか?

アメリカのサウスキャロライナで開催される芸術フェスティバルです。スコットランドのエジンバラ・フェスティバルのような感じです。
サウスキャロライナのチャールストンという町にある全部の劇場が使われます。また、建物の庭を使ってステージを設置し野外コンサートもあります。
オープニングオペラの『FLORA』は1735年に初めてアメリカのチャールストンで上演されて以来、チャールストンのドックが新しくなった今回、274年ぶりに上演されました!
残念ながら私は観られませんでしたが、他の野外コンサートを観ました。

Photo:Mami Tomotani

"BASSEKOU KOUYATE & NGONI BA"
出演者は大昔の13世紀から伝統的な西アフリカのグリオ(西アフリカで部族の記録を音楽、詩、物語で言い伝える語り部の人)の子孫です。NGONIというアフリカンバンジョーという楽器を使います。女性ヴォーカリストが一人で後は4人の男性です。このグリオの家庭に生まれたら歌舞伎のようにグリオを継承します。 
もし才能が無く生まれて来たらどうするのだろう? とお思いでしょうが、彼らは違います! とてもダイナミックな五音階のバンバラ族の音楽を体の底から、魂と一緒に、とても楽しそうに演奏していました。何を言っているのか私には解りませんでしたが、時には演奏者が猿のような動きで楽しそうに、でも力強く踊っているように演奏し、振付ではなく、心から感じて動いているのが音楽と一緒になって素晴らしかったです。
1曲、「これは、 私の曾おじいさんの曾おじさんの曾おじいさんの・・・・とにかく大昔に、王様の前でしか演奏しなかった曲を今日は皆さんのために弾きます」と、始まりました。私は、王様のための曲なら美しく、エレガントな曲かな。と思いましたが、なんと、ミステリアスで、セクシーでなんともいえない魅力を持った曲でビックリしました。音楽を聞きながら・・・夜のアフリカ、松明のなかで演奏され、美しい女性たちが王様を囲み・・と想いをめぐらしてとても楽しみました。
昔の貯水タンクがあった場所の上にステージを設置し、椅子が置かれ、ドリンクを売っているテーブルが出ていて、夜の野外ステージはとても雰囲気がありました。

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

もう一つ私が観たのはフェスティバルの最終のパフォーマンスで、これも野外コンサートでしたが、今回はみんな椅子やテーブルを持参し、ピクニックさながらのコンサートでした。毎年オーケストラでしたが、今年は "CAROLINACHOCOLATE DROPS" というFiddle(フィードル)とバンジョーを使う若いグループです。彼らは2007年にデンゼル・ワシントンの映画にも使われ、有名なレコード会社と契約をした、これからがとても楽しみなグループです。みんなステージの前で踊りだし最後は花火で終わり、とても楽しいゴージャスな夜でした!!!
場所はミドルトンプレイスでした。ここは、アメリカで最も古い自然公園で、18世紀に100人の奴隷を10年間働かせて作られた。といわれた造園です。この歴史のある場所で21世紀の今は黒人が演奏するという素敵な演出でした。
これ以外にも、モンテカルロ・バレエ・カンパニーやニーナ・アナシアヴィリとグルジア国立バレエ団が『ジゼル』を踊り、ティム・バートンの映画に影響を受けた作品『OYSTER』というコンテンポラリー・ダンスなど、盛りだくさんでした。私は残念ながらダンス公演はチケットが売り切れていて観られませんでした。
とてもかわいい町なので、ぜひホリデーをかねてこの SPOLETO フェスティバル"に訪れてみてください。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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