久しぶりに美術館に行きました。

「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」(北九州市立美術館)です。
両方ともオーストリアの画家です。クリムトは母が好きで子供の頃から家にありました。シーレの画は妹が好きで、それから彼のことを知り、私も大好きになりました。自分の家にも飾っています。
でも、彼らがオーストリア出身とは知らず、たまたまリンツ〈オーストリアの都市〉のカンパニーに1年滞在していた時にウィーンの美術館で出会い、知りました。このオーストリア美術館はとても素敵で館内にそそぐ日差しの入り方も素晴らしく、エントランス中央に大きなグスタフ・クリムトの壁画がドーンと飾ってあり、エゴン・シーレの絵も素敵な額縁に入ってとても素晴らしかったのを覚えています。

Photo:Mami Tomotani

Photo:Mami Tomotani

今回はオーディオの解説を聞きながら鑑賞したのですが、とても分かりやすくお勧めです。
シーレはクリムトと親子のようにとても仲が良く、シーレの方が若かったのですが、クリムトが亡くなった数ヶ月後に彼も28歳の若さで他界します。クリムトはとてもゴージャスで、色使いも金などきらびやかですが、シーレは簡素でもっと性や死など人間の内面を表しています。私はシーレの色使いも大好きです。クリムトの絵が官能的ならシーレの絵はどこかエロティックさを漂わせています。今回気に入ったのは、まっすぐ正面を見ている普通の肖像画をわざと横向きにし、ちょっと斜に構えた「アルトゥール・レスラー」と「自画像」です。残念ながら私が好きな「Rainer Boy」はありませんでした。

クリムトの画で今回おもしろかったのは、ウィーン分離派の初代会長の時に発表した「パラス・アテナ」です。 これはギリシア神話の女神でギリシャ・アテネの守護神です。
この画は女神の胸にペルセウスが切り落としたメドゥーサの首ゴルゴネイオン(魔除け)が舌を出しているのが描かれています。これは、クリムトが保守的な美術家組合から離脱して新しい芸術の自由を象徴するように、挑戦的に、または古い芸術に対して軽蔑するような意味が含まれて舌をだしているそうです。なかなか大胆で面白い事をしましたよね! この画の評判は二手に分かれ、とにかく物議をかもしたそうですが、その話題の本物の絵をこうやって時代を超えて日本で見られるというのは不思議な感覚になりますね。
また美術館に行きたいな。と思った日でした。

ところでマシューの『スワン・レイク』はロンドン公演が終わり、UKツアーに入りました。マシューも50歳の誕生日を迎え、私たちからのプレゼントとして「 The MATTHEW BOURNE NEW CHOREOGRAPHER AWARD」を設立し寄付をしました。マシューはいつも若い振付家を気にして助けてあげていたのでこれはマシューにとって「友人たちからのとてもうれしいプレゼントだった。」とメールが来ました。この賞については今度説明しますね。

Photo:Mami Tomotani

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インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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