怪我、病気

怪我、病気、これらはどんな仕事でも休む事になりかねない状態になるのでさけたいものです。
私は軽い捻挫や風邪では気力でやれてしまう、というか指の骨が折れていても少し痛いなーと思うぐらい鈍感です。(笑)
日本では靱帯がのびたままとか、腰があまりよくない状態とか、熱があると言っても舞台を休むということはプロとして一番したくないことなので、なんとか気力と根性でやります。

ところが外国人はちょっと軽い怪我でもすぐ休みます。聞こえは怠け者に聞こえますが理由があります。
この軽いときに休んで治してしまう、ここで悪化したら後でもっと結果的には長い休みを持つことになる、あるいは致命的になるから、という理由です。
あっ、もちろん怠け者もいます!
風邪で苦しくても舞台をやるために劇場に行くと、日本ではさすがプロだよね。と感心しますが、こちらではなぜ来たの? そんな状態で何のためにやるの? という非難の目でみられます。

この判断が難しい!
私は日本公演の前に舞台裏の照明のコードに引っかかり足首をひねりました。(はい、私がドジなだけですが。)
痛かったけど次の日は最後の公演でその後2週間休みもあるし、私の代わりにやるダンサーは最近腰が痛いと言って休みを楽しみにしているから、もし休んだら悪いなーなど色々思い、舞台をやってしまったのです。

その後の2週間の休暇は、針などの治療や怪我に一番良いのは、動かさない事なのでじっとしていました。
しかし、日本公演が始まるとすぐに痛みだしその上クララのリハーサルも始まったので以前よりずっと痛くなってしまいました。
大阪のクララをやった後はカンパニーのフィジオ担当の方から、リハーサルダイレクターに私を「1週間休ませないとだめだ」と話がいき、突然1週間お休みをもらいました。

あのウインブルドンでひねった後、無理しないで休んでいれば、良かったのでしょうが。
1週間の休みの間、前半は精神的に苦しかったです。踊ろうと思えば集中力と気力で痛さを我慢して踊れるのと、代わりにやってくれているダンサー達に申し訳ない気持ちの両方で。そして自分自身がなんだか怠けているような気がして複雑な心境でした。

でも、気持ちを切り替えて、この1週間の休みを取らなかったら後半の公演でもっと長い休みを持たなければいけないほど悪化するかもしれないしフィジオの方の判断を信じて、どうせ休むなら楽しく休もうと、後半は有意義に過ごしました。

次からはどうせ怪我するなら思いっきり動けなくなるほど怪我して・・・ではなく、上手に判断をできればな。と思うこの頃です。
でも1番いいのは、当たり前ですが健康体を維持してベストに踊れるよう持っていくことですね。

<友谷さんフォトギャラリー>

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インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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