今月は東ヨーロッパ、スロバキアからお届けいたします

スロバキアのブタペストから車で2時間半ほどのコシシェと言う街に来ています。

(C) Emi Hariyama

今回はまずハンガリーのブダペストに降り立ち、そこから小型バスでコシシェまで。
スロバキアとハンガリーの国境は国境と言う壁も何もなく、ただ国境いのサインがあるのみ。ヨーロッパがユーロに統一されたありがたさを感じる今です。私が初めてヨーロッパに来た1996年にはまだユーロは成り立っていなかったので、隣の国に行くのもパスポートが必要でした。今は通貨も統一され便利になりました。
ブタペストからスロバキアへは野原、草原、大自然の中を駆け巡って行きます。途中吹雪になり心配しましたが素晴らしい景色でした。

スロバキアにはウラジミール・マラーホフ振付演出の振り付け指導に来ています。
この街に来たのは約3年ぶりになりますが、何回来ても大好きな街の一つでそこに立っているだけで心が豊かになります。
街は本当に美しく夜のライトアップはヨーロッパ中世を想い起こす落ち着いた街並みで、やはりこのようなところから芸術は発祥するのだなと感じました。

(C) Emi Hariyama

スロバキア国立コシシェのバレエ団は、40人弱のメンバーが所属しています。
スロバキアをはじめウクライナ、ハンガリー、イタリア、日本など世界各地からダンサーが集まっており、カンパニーで和気藹々とした素晴らしいバレエ団です。
バレエ団に多くの作品を手がけているOndrej・Soth の作品は、バレエの作品としてはなかなか見ることのできないオリジナルなテーマを作品化し、エンターテイメント性に溢れて、斬新なアイディアも満載です。
バレエ団のダンサーも彼の作品のスタイルを踊るのは得意としていて活き活きとエネルギー溢れる動きをしていて、感情表現も非常に豊かなダンサーが多く作品を盛り立てています。

劇場には、スタジオが2つあり、『白鳥の湖』と同時進行で今上演中のパフォーマンスの練習も行われていました。
バレエ団をまとめているAndrei Sukhanov氏はまだとても若く現役で踊っていらっしゃいます。『カルメン』のリハーサル風景も見たのですが、一つ一つのポーズや動きにこだわりがあり、それを的確に指導されており、スタジオも集中力溢れた空気感でした。

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

(C) Emi Hariyama

さて、3月23日に初演を迎えるマラーホフ版『白鳥の湖』も着々と進んでいます。
マラーホフ氏は、女性の役柄から男性の役柄、そしてソリストからコールドまで全てを把握していらっしゃり、すべての見本を見せてくださるのですが、目線、手先、身体全てに神経が行き届き、表情なども見ているだけで全てが伝わって来ます。

『白鳥の湖』のプロダクションは、2017年3月にクロアチアのザグレブで演出した物を再現しています。
2月後半からは、私1人に任される事になるのですが引き続き、昨年クリエーションした時の全てのニュアンスやディテールをしっかりと的確にダンサー達に伝えていきたいと思います。

2月中には、「チャーリー・チャップリン」や「ロミオとジュリエット」「スパルタカス」などのパフォーマンスもあり来月はその模様もお伝えできると思います。

(C) Emi Hariyama

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インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi Hariyama Official Page

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