ダイアリー ~ダンサー日記~

針山愛美さん [ プロフィール ]

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド

From Berlin 針山愛美

10月は、キューバ、ニューヨーク、キエフに行き、後半は暫くベルリンで過ごしました。

いろいろな公演を見ることが出来、刺激的なベルリンでは充電することができました。キューバに関しましては、ニュース記事でお伝え致します。

10月16日から18日
キエフ国立バレエ学校を訪れました。18日にはバレエ学校内の劇場にて公演が行われ、学校生がこれから才能開花が楽しみな踊りを見せてくれました。

今回ウラジーミル・マラーホフ氏が、キエフ国立バレエ学校への贈り物の一環として、マスタークラスと、自身の作品である「四季」のリハーサルを行いました。18日の公演の二部では2014年の12月にキエフバレエ学校で初演された「四季」が上演されました。その際には第二キャストだった生徒達が今回踊り、世代交代で新しいキャストでの上演でした。
私も部分的にリハーサルを指導しましたが、皆本当に素直で才能豊かでこれから楽しみなダンサーばかりです。
マラーホフ氏は公演終了後、舞台上で4名の優秀な生徒達に奨学金を授与されました。そして、自身の基金「マラーホフファンデーション」からは50足のトゥシューズがプレゼントされ観客席は温かい拍手に包まれました。
マスタークラスにはウクライナの各地、そしてキエフから5社もテレビ取材が来たり、その他にもテレビやラジオの収録などマラーホフ氏は大忙しの数日でした。

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10月22日
ベルリン国立バレエ団のトリプルビル初演、題して『DUATO | KYLIÁN | NAHARIN』をドイツオペラで見ました。

<プログラム>
『CASTRATI』
振付:ナチョ・ドゥアト
『SECUS』
振付:オハッド・ナハリン
『PETITE MORT』
振付:イリ・キリアン

全く違った3作品を一夜に見ることが出来、楽しめました。
『CASTRATI』は、男性10数人のみ出演の作品で迫力がありましたが、所々不揃いなところがあり完成度はあまり高くないように思いました。
『SECUS』は、ユーモアたっぷりの楽しい作品で、他の二つの作品とのコントラストが出て良かったです。
プログラム最後のキリアンの作品『PETITE MORT』はとても美しく、また音楽もダンサーも素晴らしく感激しました。
全体的には、長くもなく短くもなくバランスのとれた良いプログラムだったと思いますが、90名のダンサーが属するベルリン国立バレエ団の良さが出ていたかどうかは疑問でした。

10月23日から25日にかけEifman Ballet St. Petersburg(エイフマンバレエ)がベルリンツアーを行い“RODIN”を上演しました。
私は、23日ベルリン初演を見ました。

“RODIN”
振付: BORIS EIFMAN
音楽: MAURICE RAVEL, CAMILLE SAINT-SAËNS, JULES MASSENET
ステージデザイン:ZINOVY MARGOLIN
衣装 :OLGA SHAISHMELASHVILI
照明 :GLEB FILSHTINSKY, BORIS EIFMAN

数年に1回ベルリン訪れるエイフマンバレエ。今年は彫刻家「RODIN」と言うテーマを掲げ素晴らしい公演を見せてくれました。
ダンサーの全てが長身で手足が長く、動くと本当にダイナミックで圧倒されました。
皆が120パーセントの力を出し切ってパフォーマンスしている熱気と躍動感が観客に伝わり、凄いエネルギーを感じる二時間半でした。
演出もとても面白く、実際にダンサーが彫刻作品になっていく様子を身体で持って表現したり、またRODINの人間関係を巧みに表現していて、改めてエイフマンの才能の凄さを見る事が出来ました。

1511emi01.jpg © Souheil Michael Khoury.

10月25日
ベルリン国立バレエ団の『オネーギン』を見に行きました。

<キャスト>
オネーギン: Mikhail Kaniskin
タチアナ: Hyo-Jung Kang
オルガ: Iana Salenko
レンスキー: Dinu Tamazlacaru
グレミン: Martin Szymanski

主役のタチアナを踊った Hyo-Jung Kang は、シュツットガルトバレエのプリンシパルで、今回はベルリン国立バレエ団にゲストとして出演しました。
彼女はとてもドラマティックなダンサーでした。舞台上で本当に涙を流しながら踊っていてタチアナの気持ちが伝わり感動しました。
ヤナ・サレンコは見る度に、バレリーナそしてアーティストとして変化し続けています。コントロールの行き届いた素晴らしいテクニックに加え、美しいラインにも益々磨きがかかっていました。最近はロイヤルバレエ団にシーズンの半分はゲスト出演している彼女、これから楽しみです。
シュツットガルトバレエは、日本に来日するのでこれもまた楽しみです。

10月28日から10月31日にかけ、ネザーランド・ダンス・シアターがベルリンツアーを行いました。
私は、30日の公演を見ましたが、連日満席でチケットが取れない状態、熱気に包まれた観客からは拍手が鳴り止みませんでした。

プログラムは三部構成。
Shoot the Moon
振付: SOL LEÓN und Paul Lightfoot
照明: TOM BEVOORT
衣装、ステージ :SOL LEÓN und PAUL LIGHTFOOT

Stop-Motion
振付:SOL LEÓN und PAUL LIGHTFOOT
振付補佐:ANDERS HELLSTRÖM
照明:TOM BEVOORT
ステージ:SOL LEÓN und PAUL LIGHTFOOT
衣装: JOKE VISSER, HERMIEN HOLLANDER
ビデオ SOL LEÓN und PAUL LIGHTFOOT (Konzept), RAHI REZVANI (Kamera und Regie), DICKY SCHUTTEL (Kamera), DICKY SCHUTTEL, HARMEN STRAATMAN (Montage),STEFAN ZEROMSKI, SAURA LIGHTFOOT-LEÓN und HECTOR THE FALCON

Solo Echo
振付:CRYSTAL PITE
振付補佐: ANDERS HELLSTRÖM
照明: TOM VISSER
ステージ: JAY GOWER TAYLOR
衣装:  CRYSTAL PITE, JOKE VISSER

1511emi03.jpg © Rahi Rezvani

ダンサーたちのクオリティーが高く、改めてこのカンパニーの凄さを感じました。動きの全てが鮮明に見える緩急あるメリハリのついたもので、一つ一つのパがはじけ出る雫のようでした。また、映像の使い方が素晴らしく、舞台上のあらゆるところを効果的に使い、セットがなくても飽きない演出になっていました。
観客の反応、新聞の批評もとてもよく、ベルリンではクラッシックは勿論ですがモダンダンス、コンテンポラリーも人気があることを再確認しました。
アイデア満載でクオリティの高い素晴らしい公演でした。

1511emi04.jpg © Rahi Rezvani

今年も後わずかになりました。来月は、またヨーロッパからの便りをお伝えいたします。

[2015.11.10]