ダイアリー ~ダンサー日記~

針山愛美さん [ プロフィール ]

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
◆Emi International Arts
◆針山愛美のバレエワールド

From Berlin 針山愛美

11月は、雪が降ったりマイナス18度まで下がったりと本格的な冬がやってきました。

12月は日も短くなり、殆ど太陽を見る日はありませんが、クリスマスマーケットが華やかに街を彩っています。

11月8日
<モスクワ公演>
11月7日のベルリンでの公演『ラ・ペリ』終演後、深夜便でモスクワに。
シラー劇場から空港へ直行し、モスクワ到着は8日当日の早朝6時前でした。
少し休憩し、エストラーダ劇場でのリハーサル。
岩田守弘さん率いる日本のダンサー、ロシアのダンサー、音楽家が集いモスクワでの公演が実現しました。岩田さんはじめ、ゲストのファルフ・ルジマートフさんや、ロシア人民芸術家のバイオリニスト、マキシム・フェドートフ&ピアニスト、ガリーナ・ペトロワさんと競演できたことは一生忘れられない公演となりました。
モスクワには特別な思いがあります。
私が始めてモスクワの地に来てから何と20年。
20年前のあの暗く、鉄格子のような空港に降り立ったことが昨日のように思いだされます。年々産まれ変わるロシア。。。あの頃の雰囲気とは今は全く異なるモスクワ。留学中のこと、、ダンチェンコで踊っていたときのこと、、、色々な思いがあるモスクワで、今日自分が踊ることになるなんて思いもしませんでした。
1部の『魂』(岩田守弘さん振付) では、女神の役を躍らせていただきました。
2部では、マクシムとガリーナの生演奏で『瀕死の白鳥』を。
生演奏はやはり素晴らしかったです。
このような機会を作って下さった、岩田守弘さんに、関係者の皆様に感謝の気持ちで一杯です。

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11月10日、12日、13日、14日
<マラーホフとフレンドの公演>
10日と12日の2日間見ました。
全体としては、前回よりもクラッシックの作品が少なく、ネオクラッシックの作品が多くプログラムに取り込まれました。
ゲストの方々とバレエ団員が素晴らしい踊りを披露し、観客も総立ちで拍手を送っていました。
東京バレエ団からの高岸さんと上野水香ちゃんのパートナーシップは素晴らしく、『シンデレラ』も本当に素敵に表情豊かに安定した踊りを見せてくれました。又、べジャールの『詩人の恋』は、私自身初めてみた作品でしたが、ベジャールの新しい一面を発見したよう、水香ちゃんのエクステンションとラインは本当に日本人離れしていて、とても美しかったです。
レドフスカヤは、ダンチェンコバレエ団に私が在籍していた頃からプリマとして活躍されていて、それ以来の再会となりました。以前と全く変わらない、機敏で軽やかな魅力を見せてくれました。パートナーのチュジンも足のラインの美しさとジャンプの軽やかさが特に素晴らしく、まだ若く、これからダンチェンコを背負っていくダンサーだと思いました。
ジュリー・ケントとマラーホフのパートナーシップも、二人の雰囲気があっていて素晴らしかったです。『マノン』全幕見てみたいです。
オブラスツオーワは2年前に続く連続出演。今回はベルリンバレエ団のジーヌと競演し、素晴らしいテクニックと愛嬌を、二人の息もぴったりでした。
終演後、いつもの通りロビーでレセプションがあり、マラーホフ監督がお話されました。
この日は、マラーホフ監督のご両親もいらっしゃり、温かく素晴らしい雰囲気でした。

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『マノン』

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マラーホフ最後の登場

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レセプションにて

PROGRAMM(プログラムとキャスト)は以下の通り、順不同です

ABENDLICHE TÄNZE „Adagio“ Duett (11月18日以外.)
Musik: Franz Schubert
Choreographie: Tom Schilling
出演 Natalia Ledovskaya – Semen Chudin
(Stanislawski-und-Nemirowitsch-Dantschenko-Theater Moskau)

CARNIVAL IN VENICE „Satanella“ Pas de deux
Musik: Cesare Pugni
Choreographie: Marius Petipa
最振付 Elena Kunikva
出演Yevgenia Obraztsova (Ballett des Mariinsky-Theaters Sankt Petersburg) – Dinu Tamazlacaru

BALL DER GEISTER Duett
Musik: Frédéric Chopin
Choreographie: Dimitri Brianzev
出演Natalia Ledovskaya – Semen Chudin
(Stanislawski-und-Nemirowitsch-Dantschenko-Theater Moskau)
11月18日はMikhail Pukhov anstelle が出演

CINDERELLA 2. Akt Pas de deux
Musik: Serge Prokofieff
Choreographie: Vladimir Malakhov
出演Mizuka Ueno – Naoki Takagishi
(Tokyo Ballet)

DICHTERLIEBE – AMOR DI POETA Duett
Musik: Robert Schumann
Choreographie: Maurice Béjart
出演Mizuka Ueno – Naoki Takagishi
(Tokyo Ballet)
(Musik vom Tonträger)

INTIMATE DISTANCE Duett
Musik: Otto Bubenicek
Choreographie: Jirí Bubenicek
出演Beatrice Knop – Dmitry Semionov
(Musik vom Tonträger)

LE PARC „Verlassenheit” Duett
Musik: Wolfgang A. Mozart (Konzert für Klavier und Orchester Nr. 23 KV 271, Adagio)
Choreographie: Angelin Preljocaj
出演Nadja Saidakova – Vladimir Malakhov

L’HARLEQUINADE Pas de deux
Musik: Riccardo Drigo
Choreographie: Marius Petipa
Einstudierung und Inszenierung: Elena Kunikova
出演Iana Salenko – Rainer Krenstetter

MANON 1. Akt Pas de deux
Musik: Jules Massenet (eingerichtet und arrangiert von Leighton Lucas und Hilda Gaunt)
Choreographie: Sir Kenneth MacMillan
出演Julie Kent (American Ballet Theatre) – Vladimir Malakhov

MOZART-KLAVIERKONZERT Duett
Musik: Wolfgang A. Mozart (Konzert für Klavier und Orchester Nr. 9 KV 488, Adagio)
Choreographie: Uwe Scholz
出演Julie Kent (American Ballet Theatre) – Wieslaw Dudek

RAST DER KAVALLERIE Pas de deux
Musik: Johann Armsheimer
Choreographie: Marius Petipa
最振付 Elena Kunikova
出演Sebnem Gülseker – Marian Walter

SHOWTIME Duett
Musik: Philip Kannicht | Georges Bizet („Carmen“-Ouvertüre, Auszug)
Choreographie: Eric Gauthier
出演Elisa Carrilo Cabrera – Mikhail Kaniskin

DER STERBENDE SCHWAN Solostück
Musik: Camille Saint-Saëns (“Der Karneval der Tiere”)
Choreographie: Mauro de Candia
出演Vladimir Malakhov

STRAUSS INCONTRA VERDI Solostück „Alles Walzer“
Musik: Johann Strauss (Sohn) (Quadrille „Un ballo in maschera“ op. 272)
Choreographie: Renato Zanella
出演Polina Semionova

SPIRIT Duett
Musik: Johann Sebastian Bach (Konzert für Cembalo und Streicher BWV 1056, Largo)
Choreographie: Vladimir Malakhov
出演Sebnem Gülseker – Ibrahim Önal

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11月14日
ロシアバレエ(モスクワ)のベルリン来独公演を見に行きました。
ディレクターは、Hassan Usmanov.
彼とは10年以上前、モスクワ時代から知り合いですが、彼のバレエ団を見るのは初めてでした。
演目は『ジゼル』。
休憩を入れて2時間にまとめられていて、見ていて無駄がなく大変わかりやすい演出でした。
衣装もセットも、Hassanが作ったとおっしゃっていましたが、美しく、特に客席の遠くから見ても奥行きがあり素敵でした。
これから2ヶ月、『眠れる森の美女』『白鳥』『くるみ割り人形』の公演旅行でヨーロッパ各地を回るそうです。

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11月23日
クリスマスマーケットが始まりました。
ベルリン国立バレエ団の入り口付近も色々なお店が並び、華やかになりました。
11月中旬から12月末まで、例年行われるBerliner Festspielのシーズンが始まりました。この日、会場Haus der Festspielにて「Un Tramway」を見ました。
2時間35分休憩なしの公演。
主演のIsabelle Huppertはヨーロッパでとても有名な映画女優でもありますが、彼女のその演技力にただただ、驚嘆。百面相のようで、ゴージャスで美しい姿から、落胆、怒り、悲しみなどへの変貌が凄かったです。

11月25日
コンサートハウスでコンサートを聞きました。
指揮はMichel Gielen
ベートーベンの6番とトランペットのソロ
ベートーベンは元祖といえば良いでしょうか、、、少しテンポが早い気もしましたがドイツの演奏を聞いたという感じ、素晴らしい演奏でした。

1012emi08.jpg UN TRAMWAY
Isabelle Huppert
© Pascal Victor

12月3日
Berliner Festspiel主催公演
「Creation 2010」を見ました。
振付 Angelin Preljocaj
音楽 Laurent Garnier
ステージ Subodh Gupta
衣装 Igor Chapurin
照明 Cécile Giovansili

ボリショイからのダンサー
Arsen Karakozov, Anastasia Meskova, Nuriya Nagimova, Anton Savichev, Egor Sharkov, Alexander Smolyaninov, Xenia Sorokina, Anna Tatarova, Alexey Torgunakov, Anastasia Vinokur
ダンサー Ballet Preljocaj
Sergi Amoros Aparicio, Claudia De Smet, Sergio Diaz, Natacha Grimaud, Jean-Charles Jousni, Émilie Lalande, Céline Marié, Lorena O'Neill, Fran Sanchez, Nagisa Shirai, Nicolas Zemmour

Ballet Preljoca(プレジュジョカジュ)jとBolshoi-therter(ボリショイバレエ団)のダンサーがコラボレーション。
21人のダンサーが100分間休憩なしで踊り続けました。
ボリショイバレエ団から10人、プレルジョカジュから10人ずつダンサーが競演しましたが、ボリショイのダンサーはどちらかどちらか判らないほど素晴らしい動きを披露していました。
振り付けはAngelin Preljocaj。彼の作品『白雪姫』は私たちベルリンバレエ団でも上演していて大変人気の高い作品です。
この作品の初演は、2010年9月14日、ボリショイ劇場にて。
私が留学していた頃からは、このようにモダン、コンテンポラリーの作品がボリショイ劇場で上演されることになるとは想像も出来ませんでした。
5分ほどの短いナンバーを、十数、次々と見せてくれましたが、どれも新しい発想でとても新鮮でした。

1012emi09.jpg UN TRAMWAY
Isabelle Huppert
© Pascal Victor
1012emi10.jpg Ballet Preljocaj / Bolschoi-Theater
© JC Carbonne

12月5日
ロシアハウスにてベルリンにあるプライベートのバレエ学校の『くるみ割り人形』の発表会に援助出演し、少し花を添えました。
1幕のパ・ド・ドゥだけ踊りましたが、昔を思い出し新鮮な気分でした。
小さい頃、年に1回か2回しかなかった発表会を本当に楽しみにしていたその新鮮な気持ちを思い出しました。
回数を踏んでも、いつでも新鮮にのぞめる様にしないと駄目だな。。。と思ったひと時でした。

その後、オペラ『トロイ人』を見ました。
5幕のオペラで5時間の大作。
凄い迫力でした。
16人のダンサーもかなり活躍。振り付けを担当したRenato Zaneraは元ウイーン国立バレエのディレクターを10年務めたり、マラーホフのボヤージュを振付けるなど日本でも良く知られています。今回はオペラとのコラボレーションでしたが、素晴らしかった。
歌のソロのところなどでは、踊りがフレームのような役割を、踊りを見せる場面では、何か特別な瞬間を感じるものがありました。

12月8日
『くるみ割り人形』のステージリハーサル。
今年は全てドイツオペラでの上演となります。
12月と言えば、やはり『くるみ割り人形』。昨日チケットを買おうと思ったら完売でした。
ステージでのリハーサル、オーケストラとベルリンバレエ学校の生徒も揃ったリハーサルはこの1回きり。
10日に1回目の公演が始まります。

ベルリンは毎日沢山の人で賑わっていて、とても華やかな2010年最後の月となっています。
来月は、皆も楽しみにしている日本公演もあり、また忙しい月となりそうです。

今年も沢山の方々に支えられ、お世話になり、ここまで来ることが出来ました。
残りの日々も感謝の気持ちを忘れず過ごしたいと思います。
皆様も良い年末、そして新年をお迎えくださいね。

2011年も宜しくお願いいたします。

[2010.12.10]