10月に入りベルリンもすっかり冬らしくなってきました。

もう既に9月からクリスマスのお菓子が店頭に並び、気分は年末。。。
コンサートやオペラのシーズンも始まり活気が出てきました。

9月10日、11日
2日続けて、ベルリンフィルハーモニーでコンサートを聞きました。
演目は
作曲Berio Coro for 40Stimmen and 44 Instrumente
Strawinsky Pulcinella(バレエ音楽)
ストラヴィンスキーのプルシネラはバレエ音楽ですが、私は実際の公演を見たことがありませんでした。
とても素敵な曲で、聞いていて振り付けが目に浮んでくるよう。。。。
コンサートマスターは樫本大進さんで、とっても素敵なバイオリンの音色を響かせていました。

9月23日
コミッシュオペラでマイスターシンガーのGP(ゲネプロ)を見ました。
演出はMr.Homoki.コミッシュオペラのディレクター自らの演出でした。
コミッシュオペラでワーグナーのオペラを見たのは初めて。
こじんまりした劇場には少し迫力が物足りないようにも感じましたが、20代で大抜擢の若い指揮者のもと、素晴らしい演奏でした。
演出は勿論モダン。数々の白い家の模型を舞台上で歌手やエキストラの出演者の方々が移動させ、色々な背景にに変化させます。一つ一つの家が組み合わさり、町の風景や教会を形作りながら、舞台セットとなってました。
初演は9月26日、批評は賛否両論で、興味深いものでした。

9月26日

ベルリンマラソン開催。
あいにくの雨でしたが、ベルリンは4万人の参加者で賑わいました。
街中にスポーツウエアを着た人々の活気で満ちていました。

9月28日
ドイツオペラにてオープニングガラ公演
国立歌劇場で毎年行われていたガラですが、歌劇場修復工事のため今年はドイツオペラでの開催でした。
始まる前にアナウンスがあり、開演が30分遅れるとの事。
オーケストラがストライキを実施。しかし、30分遅れましたが、無事演奏してくれました。
観客には待ってる30分の間、Weber Bankがスポンサーシップで、無料でシャンペンを振舞いました。
ドイツオペラのロビーは10月一杯修復工事のためこちらも何とも言えない有様。。。観客は狭い観客横の空間でシャンパンを楽しむことに。。。
しかし、満員のお客様は温かく迎えてくれました。
毎年チケット代から10ユーロ集めて行っている募金も9000ユーロ集まったようです。

「瀕死の白鳥」ウラジミール・マラーホフ

<プログラム>
CINDERELLA Walzer
音楽Serge Prokofieff
振り付けVladimir Malakhov
バレエ団員

SHOWTIME
音楽 Philip Kannicht | Georges Bizet
振り付け Eric Gauthier
エリザ・カブレラ&ミハイル・カニンスキー

フレスコよりパ・ド・カトル
音楽 Cesare Pugni
振り付けArthur Saint-Léon
指導Elena Kunikova
バレエ団員

RING UM DEN RING Duett
音楽Richard Wagner
振り付けMaurice Béjart
ナディア・サイダコーワ&ミハイル・バンテェフ

人形の精よりパ・ド・トロワ
音楽Riccardo Drigo
振り付け Nicolas und Serge Legat
指導Elena Kunikova
ヤナ・サレンコ&ライナー・クレンシュテター&ジーヌ・タマズラカウ

ALLES WALZER „Adagietto" Duett
音楽 Gustav Mahler  
振り付けRenato Zanella
ベアトリス・クノップ&ビスラウ・デュディック

瀕死の白鳥
音楽Camille Saint-Saëns
振り付けMauro de Candia
ウラジーミル・マラーホフ

海賊 Grand Pas de deux
音楽Riccardo Drigo
振り付け Marius Petipa
ポリーナ・セミョーノワ&ドミトリー・セミョーノフ

BRUCH VIOLIN CONCERTO NO 1
音楽 Max Bruch   
振り付けClark Tippet
ポリーナ・セミョーノワ&ビスラウ・デュディック&バレエ団員

「海賊」ボリーナ・セミョーノワ

10月1日
朝と夜と2度にわたって『白鳥の湖』のリハーサル。
私達の更衣室が新しくなりました。
各自に新しい棚と鏡台が取り付けられ、素敵になりました。

10月3日
ドイツ統一20周年記念日でした。
『白鳥の湖』の本番。
劇場に行くまで一苦労でした、ベルリンの国会議事堂やブランデンブルグ門でイベントが行われていたので大通りが通行止めになりました。
<キャスト>
オデットオディール:ヤナ・サレンコ
ジークフリート:マリアン・ワルター
ロットバルト:マルチン・ブツコ
王妃:ナディア・サイダコーワ

Photo:Emi Hariyama

ヤナとマリアンは夫婦で白鳥デビューでした。
しかし、ハプニングが、、、、1、2幕が終わった休憩後、何とオーケストラがストライキで帰ってしまいました。仕事のコンディションの為で、バレエに対してのストライキではないにしろ緊急常態に。
普段リハーサルはピアニストと行っていますが、バレエ団の専属ピアニストが3、4幕を演奏し、指揮者もピアノのため指揮を続け、公演は大成功を収めました。
観客もいつもより温かい拍手とブラボーを送ってくれ、終演後マラーホフ監督も団員に話しをされバレエ団が一丸となっていたような気がしました。
マリアン・ワルターはプリンシパルに昇格しました。

Photo:Emi Hariyama

Photo:Emi Hariyama

10月6日から10日
ベルリンアートフォーラム開催
一般公開は7日から10日。
1年に1回行われるこの催しは、今年もメイン会場は、世界メッセ会場で開催されました。
その他、Berliner Liste(今年は市庁舎で)やテンペルホフ旧空港跡地を会場としたアート博が開催され、世界各地のアーティストや数百件のギャラリーがベルリンに集まりました。
私も今年は初日だけアーティストとして参加しました。
6日にアートフォーラム世界博で、NYからの彫刻家と映像とコラージュのアーティストとコラボレーションしたのですが、影と映像とを利用して面白い演出でした。
本当にArt、表現の域は幅広く限りないと思いました。

10月8日
『白鳥の湖』
キャストは3日と同じ
今シーズン3回目の公演ですが、今シーズン初めてオーケストラのストライキに悩まされる事なく無事終了。やはり、オーケストラの演奏での3幕、4幕は盛り上がりますね。
10月は白鳥の公演が7回あります。

10月9日
『白鳥の湖』
<キャスト>
オデット/オディール:ヤナ・サレンコ
ジークフリート:ドミトリー・セミョーノフ
ロットバルト:レオニード・ジャコビナ
王妃:エレナ・プリス

ベアトリス・クノップが踊る予定でしたが、急遽ヤナ・サレンコにキャストチェンジです。
ヤナは2夜連続の全幕主演にもかかわらず、素晴らしい舞台でした。
ヤナとドミトリーはかなり身長差があるのですが、さすがプロ、そんな事は全く感じさせないパートナーシップ。リフトなど、ヤナは本当の白鳥のように羽ばたいているようでした。。。
今日は満員売り切れ公演となりました。

10月はシラー劇場での公演が始まります。
国立歌劇場の代わりにシラー劇場での公演になりますが、内部がどうなっているかなど、見るのも踊るのも楽しみです。

アートフォーラム

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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