ベルリンは今最高の気候です

年々増え続ける観光客やベルリン市民、外でカフェを楽しむ人の姿や、公園や博物館を散策する人々で賑わっています。

4月6日
日本でYダンスカンパニーの公演にライナー・クレンシュテッターと飛び入り参加。4日は「チャイコフスキー」の本番で、ライナーは主役だったので大変でした。
今回は日本で「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥなど踊りました。
5日の朝、家を5時半に出て、7時にベルリンを出発。日本には時間通り6日(次の日)の7時に到着。そのまま劇場に直行し、11時に音合わせと照明合わせ、昼食を食べる間もなくメークを終え、衣装を着たらもう本番開始。13時に1回目の公演、2回目の公演は17時でした。
時差や疲れなど感じる間もなく本番でしたが、足や体はやはり宙に浮いているような不思議な感覚のまま踊る事になってしまい、自分ではもちろん納得のいく内容ではなかったのですが、無事時間通りすべてがうまく行ってほっとしました。

Yダンスカンパニー公演

Yダンスカンパニー公演

Yダンスカンパニー公演

Yダンスカンパニー公演

今まで、長旅の到着当日に踊った事はなかったのですが、今回は珍しくベルリンバレエが4月5~7日の3連休だった事、そして妹の祐美が今年の初めに体調を悪くしてしまってこの公演のために殆ど動けなかった事、いろいろな条件が重なり無理をしてでも行こうと決めました。
一番の理由は妹、祐美のため。
彼女が体を壊したとき、その日の内に決めました。
絶対応援出演すると!
翌日は夜の便での帰国だったので、夕方までお買い物と、祐美、母とゆっくり話をする時間もあり、素晴らしい1日となりました。
そして、4月7日の朝にはベルリン空港に到着・・・、今度は空港から国立歌劇場に直行して1日リハーサルをしたのでした・・・。

4月8日~19日
インターナショナルダンスサミット2008が開催されました。国立歌劇場が主な会場で、より多くの人にバレエを親しんで頂こうという企画です。
去年も開催され、沢山の方々が来場してくださいました。
主に国立歌劇場のアポロザルという美しい広間を会場として利用し、そこをバレエカフェとしてどなたでも出入りが出来、コーヒーを飲みながらバレエを楽しめるというとても良い催しです。

今年のゲストカンパニーは
Hubbard street dance Chicago.

国立歌劇場は
「ラ・シルフィード」と「白鳥の湖」を上演。
その他、毎日デモンストレーションクラスがバレエカフェで開催され、あらゆるワークショップトークを聞くことが出来ました。
その中から少しレポートします。

衣裳も飾ってありました

衣裳も飾ってありました

4月10日
Hubbard street dance Chicagoの公演を見に行きました。
プログラムは
BARDO(Toru Shimzaki)
LICKETY-SPLIT(Alejandro Cerrudo)
THE CONSTANT SHIFT OF PULSE(Doug Varone)
PALLADIO(Jim Vincent)
島崎さんの作品が、振り付け、照明のどれも素晴らしくダンサーの動きにも魅了されました。
20人のダンサーが3作品ほぼ全員入れ替わり立ち替わりで踊り、それは凄い迫力でした。
モダンの力強く早くしなやかな動きに圧倒された2時間でした。

Hubbard street dance Chicago

Hubbard street dance Chicago

公開リハーサルの様子

公開リハーサルの様子

4月16日
朝の10時半から1時半まで、「白鳥の湖」のステージリハーサルが一般公開で行われました。
無料公開(ただし事前にチケット予約制)で、満員のお客様が来てくださいました。
マラーホフ監督もジョークを言ったりと、楽しい雰囲気のリハーサルでお客様も楽しんでくださいました。

4月16・18日
「ラ・シルフィード」の公演。16日の午前中は「白鳥の湖」の公開リハーサルでしたので、ドイツオペラに移動して夜は本番でした。
[キャスト]
シルフィード:中村祥子
ジェームス:ミカエル・カニンスキー
ミカエルは去年「ジゼル」の公演中に膝を痛め、5ヶ月ぶりの舞台復帰でした。
彼は勿論の事だったと思いますが、奥様でありカンパニーダンサーのエリザは自分の事より緊張したと語っていました。
しかし、そんなブランクがあったとは思えない素晴らしい舞台を祥子ちゃんと見せてくれました。

4月18日
アポロザルでコーヒーを飲みながらイベントに参加してみました。
ダンサーたちへの質問応答、この日はヤナ・サレンコ、ドミトリー・セミョーノフ、ミカエル・カニンスキーが質問に答えていました。
ヤナはベルリンに来たきっかけは、夫のマリアンと働くためと即答、ドミトリーは妹のポリーナと踊る事についてラブストーリーは一緒に踊りたくない、などと答えていて、和気藹々とした雰囲気の会場でした。

バレエカフェの様子

バレエカフェの様子

4月19日
ダンスサミットの最終日。「白鳥の湖」の公演でした。
[キャスト]
オデット/オディール:ポリーナ・セミョーノワ
ジークフリード:ウラジーミル・マラーホフ
王妃:ナディア・サイダコーワ
ロットバルト:マルティン・ブツコ
私のプログでも少し触れましたが、もう歴史的な公演だったと思います。素晴らしすぎて、黒鳥の時など自分が舞台上で見ているのも忘れるほど引き込まれてしまいました。
ポリーナとマラーホフ監督、テクニックはもう今更言う事もないくらい素晴らしいのですが、それにプラスアルファーで2人の放っているその光、輝き、オーラが凄い。
これはもう天性の物だと思いますが、舞台が一瞬で華やかに輝きます。
超満員で、1ヶ月前以上から「白鳥の湖」のチケットは全て完売。ベルリンでも白鳥は人気があるようです。

4月20日
ドイツオペラで「ジャコンド」というオペラを見ました。
バレエのシーンがあるという事で行ったのですが、15分程の華やかなバレエシーン、元ABTのダンサーが芯をまとめていましたので見ごたえがありました。

4月24日日
「白鳥の湖」2日目
キャストは19日と同じ。

4月26日
今シーズン1回目の「指輪(リング)」の公演
今シーズン、リングは3回予定されていましたが、ピアニストの予定が合わず5月24日は「眠れる森の美女」に変更となりました。
よって、今シーズンは2回だけ上演することになり、6月の最後の公演は故ベジャールさんの為に踊ります。
今回は白鳥、眠り、シルフィードのリハーサル・本番と平行しての準備だったので時間が殆どなく1、2回のリハーサルしか出来なかったので少し心配でしたが、それにもかかわらず皆さすがプロです・・・!全てがうまく行ったと思います。
来シーズンからしばらくは、レパートリーからなくなるので最後は心を込めて上演したいと思います。

4月28日
ベルリンフィルハーモニー、サイモン・ラトル指揮のベートーベン9番を聞きに行きました。
素直に感動しました、9番といえばドイツでは大晦日、新年に聞く習慣があります。
全てのソロ、打楽器、弦、金管、4人の歌手、一人一人がスターのオーケストラですから本当にどの音を聞いても素晴らしかったです。

「眠れる森の美女」ポリーナ

「眠れる森の美女」ポリーナ

4月29日、5月2日
「白鳥の湖」
[キャスト]
オデット/オディール:ベアトリス・クノップ
ジークフリード:ロナルド・サフコービッチ
王妃:ビアラ・ナテェワ
ロットバルト:ビスラウ・ヂュディック
ベアトリスとロナルドの白鳥はポリーナ、マラーホフ監督とは又一味違った解釈で見比べる事が出来るのも興味深いです。この2日も素晴らしい公演でした

今月は18日まで公演がありません。
18日以降はほぼ毎日のように本番が続きますが、一息つくことが出来そうです。
5月14日からは歌舞伎がベルリンに来るし、国立歌劇場でも素晴らしいオペラが続きそれを鑑賞するのも楽しみです。
来月レポートいたします。
針山 愛美

インタビュー & コラム

hariyama.jpg

針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

ページの先頭へ戻る