風邪が大流行

6月ですね。本当に天気がころころ変わり風邪が大流行、自分も少しダウンしましたが、今はもう大丈夫です。

5月4日から14日まで
国際バレエ週間という試みが行われました。
国立歌劇場のアポロザルというとても美しい空間(室内楽のコンサートが行われたりします)が期間中はバレエカフェになりました。
4人のダンサーが毎朝そこでレッスンを披露。
カフェのお客様はコーヒーでも飲みながらレッスンを見学できたり、実際使っている衣装が展示されてたり。
バレエについてもっと知ってもらい、好きになってもらおうという企画で普段はお見せしない部分も公開しました。

インターナショナルバレエ週間

インターナショナルバレエ週間

バレエカフェに飾ってあった マラーホフのソロル衣裳

バレエカフェに飾ってあった
マラーホフのソロル衣裳

私の「ジゼル」の衣裳

私の「ジゼル」の衣裳

幕開けは前回もふれたように5月4日「チャイコフスキー」でした。
そして5月7日も初日と同じキャストで「チャイコフスキー」を上演しました。
「チャイコフスキー」はお客様うけがとても良く、毎回カーテンコールが凄いです。
この日もスタンディングオべイションでした。

5月9日から12日は東京バレエ団が客演してくださいました。
普段は中々お話しすることがありませんが、劇場内のカフェなどで団員の方達と少しお話しする機会があったり、とても新鮮でした。
公演は9日、10日が「ドン・キホーテ」、11日、12日がベジャールの3本立てで、「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」というプログラムでした。
私が日本にいる時にタイミングが合わなくて見る機会があまりなかったのですが、今回は四夜連続で堪能する事が出来ました。
両プログラムとも良くリハーサルされていて、完璧に揃っていてびっくりしました。

その数日後、ベルリンバレエ団の「バヤデルカ」のリハーサルがあったのですが、マラーホフ監督が「東京バレエを見たでしょう、皆が一つに見えるように踊って欲しい。高さが1センチもずれないように」と、普段以上に熱が入ったリハーサルで私たちも刺激を受けました。
「ドン・キホーテ」というクラッシックバレエとベジャールという全く異なった作品でしたが、どちらも素晴らしく感激でした。
ベジャールの迫力は特にすごかったです。
東京バレエ団の皆さまは連日のリハーサルと舞台で本当に大変だったと思います。
素晴らしい公演ありがとうございました。

さて、13日、14日は私達ベルリンバレエ団の公演、「バランシンの夕べ」でした。
同じ時期に上演中の「チャイコフスキー」2幕にセレナーデの音楽が使われているのですが、同じ曲で違った作品を踊るのは不思議な気分でした。
皆で「振りを間違えそう、、、」と話していました。
12日の午前中は「バランシンの夕べ」の唯一のステ―ジリハーサルでした。3時間という限られた中で「セレナーデ」「アポロ」「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」「バレエインペリアル」をリハーサルしなければならず、スペーシングなしでいきなり「セレナーデ」を通しました。結果、これまでにないくらい最悪なリハーサルになり、午後からの「バヤデルカ」のリハーサルがセレナーデに変更。そして13日の本番の朝にもう一度「セレナーデ」だけステージリハーサルする事になりました。
そして本番。
皆のチームワークがこの時ばかりと発揮され、本番前に皆で円陣組んだり、一つにまとまって集中力がすごく、なんとか無事終える事が出来ました。
音楽が美しく踊っていて本当に幸せな気分になります。

キャストは
ミカエル・バンテュフ
ビアラ・ナチェワ
ガエラ・プジョルでした。
さて、それに引き続き「アポロ」のキャストは
ウラジーミル・マラーホフ
ナディァ・サイダコーワ
エレーナ・プリス
コリーン・ベルディユ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ヤーナ・サレンコ
ジーヌ・タマズラカウ

「バレエインペリアル」
アルチョム・シュピレフスキー
ベアトリス・クノップ

2日連続で同じキャストでした。
プリンシパル総出で、お客さまは見ごたえがあったと思います。
このプログラムは去年ドイツオペラで公演しましたが、5月からドイツオペラが修復に取り掛かっているため今年は国立歌劇場での公演でした。
14日はバレエ週間最終日。舞台で公開レッスンが行われ、無料のチケットだったので超満員でした。その後はバランシンの夕べ2日目。
10日間にわたるバレエ週間が幕を閉じました。

撮影風景

撮影風景

5月17日から22日
チャコットスタッフの方がベルリンを訪問されました。
来年のカレンダーなどの撮影のため日本からの来独でした。少しお手伝いさせていただきましたのでその様子をレポートします。
17日は「バランシンの夕べ」3回目、今シーズン最後のバランシンでした。その後ホテルにご挨拶に行き軽く打ち合わせしました。
次の日は私のリハーサルの後、荷物を取りに税関に行きました。
日本からチャコットさんが撮影用に送ってこられた荷物が、税関に引っ掛かっていたので取りに行ったのですが、何と、「ここにはない、近所の郵便局に送った」と、ぶっきらぼうに言われどこに送ったかも言ってもらえず・・・、いやな予感が命中。
その後、近所中の郵便局を探し回ったり、バレエ団からあらゆるところに電話をかけて問い合わせてもらったけれど、どうやら誰も荷物の行方がわからず、税関、郵便局、DSLをたらい回しにされる始末。バレエ団のアシスタントにも、ついに「もう無理なのであきらめるか、直接DSLの荷物収集所に行ってみるしかないね」と言われました。

撮影風景

撮影風景

それで、ラストチャンス。可能性はないと思ってDSLの本部に行ってみました。一度はないと言われ「やはり・・・」と帰りかけた瞬間、上司的な人がなんだかまくしたて「もう一度見て来い!」と怒ったので、係りの方がもう一度探しに行ってくれました。
すると、なんと荷物が出てきました!!
信じられない・・・、ここにこなかったらきっと発見されなかったかも。本当に有難う!
そんなスタートでしたが、コスチュームもぎりぎりに発見できて、撮影は順調でした。
バレリーナの卵達の美しくて可愛い事。見とれてしまいました。
来年のチャコットカレンダー楽しみです。
マラーホフ監督の今年の撮影パートナーはナディア・サイダコーワさんでした。
前回のポリーナとは全く違った雰囲気。
マラーホフさんとのデュエット写真の雰囲気が素晴らしく、二人でどんどんポーズを作り上げていかれる様子は、まさに一種のパフォーマンス。
カメラマン、スタッフもため息の連続。
出来上がった写真を見るのが楽しみです。

5月20日、26日
「チャイコフスキー」のセカンドキャストの公演でした。
チャイコフスキー:ミカエル・バンテェフ
チィコフスキーの影:ビスラウ・ヂュディック
妻:エレーナ・プリス
メック:ビアラ・ナテェワ
踊り手によって全く違った印象になるなあ、と思いました。
ミカエルが素晴らしかった。ダンサーとして、そして役者として・・・、演技というか、まるで演技ではないような、彼そのものがチャイコフスキーに見えてくるようでした。


5月28日
「バヤデルカ」の本番、今年の初日。
去年の日本公演以来でした。今回は32人の影の部分を24人にカットして上演しました。
リハーサルが少なかったけれど何とか無事終了。

6月5日
ポリーナが復帰しました。
この日は「バヤデルカ」の本番。
マラーホフとポリーナの舞台を客席から見る事が出来ました。
私は先週からドクターストップです。
4ヶ月前に舞台リハーサルでアクシデントがあり、足の指を突き指したと思っていました。
一応レントゲンを撮り、大丈夫といわれ、その時は歩くのも痛かったのですが、それからしばらくして復帰し今まで踊っていました。
しかし、赤く腫れたまま治る様子がないので、違う病院を紹介してもらい再度検査してもらったら、ひびがはいっているとのこと。

復帰したポリーナとマラーホフの 「バヤデルカ」

復帰したポリーナとマラーホフの
「バヤデルカ」

びっくりしましたが、原因がわかって安心しました。
今月中旬には復帰したいなあ・・・、と思っています。
という事で、「バヤデルカ」を客席から見る事が出来ました。
ポリーナは本当に信じられないくらい毎回変化し続けています。
もちろん素晴らしい方向に、進化し続けています。
見ていてぞくぞくしました。
感情面でもテクニックも素晴らしくマラーホフとの息もぴったりでした。
こんなに感動した舞台は久々でした。

復帰したポリーナとマラーホフの 「バヤデルカ」

復帰したポリーナとマラーホフの
「バヤデルカ」

6月6日~11日
なんとバレエ団小休暇です。
皆どこかに旅行に行ったりゆっくりするようです。
そんな事いっているうちに、とうとうワールドカップです。
ベルリンは街中サッカーの熱気が漂っています。
なんだかすごい事になりそうです。

私は今ベルリンで「夢コンサート」の新作に取り掛かっています。
振り付けはナディア・ヤノフスキーが担当してくれていて、どんなものになるか楽しみです。

迷っている作品があるので、29日と30日で少し違った作品を踊るかもしれません。
ライナーとナディアはクラシックのパ・ド・ドウと新しい作品を踊ってくれます。
最新情報をお楽しみに。
http://www.hariyamafamily.com/index.html
こちらも覗いてみてくださいね。

それでは又来月まで。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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