『ジゼル』
アリーナ・コジョカル
(2004年上演の写真) |
今回の『ジゼル』を観るに当って、個人的に楽しみにしていたことがある。前回上演後しばらくして、ある辞書で、英語圏で使われるファースト・ネームの由来一覧を見つけた。例えば、オフィーリア(OPHELIA)がギリシャ語源で「サーペント」、シルヴィア(SYLVIA)が同じくギリシャ語で「森に住む」という意味など。その中に、チュートン語から「GISEL」があった。その意味は「Pledge:誓約」。
同じ綴りではないのでもしかしたら思いすぎなのかもしれない。しかし、「誰が誓いを破り、誰が誓いを守ったのだろう」、と考えながら舞台に接していると、今まで見過ごしていた場面や、ジゼルがどうしてアルブレヒトを守ろうとしたのか、もっと心の奥深く秘められた意味があるのではないかと思えてきた。一つ例をあげるなら。夜明けが来たことを知ったときのミルタの悲しさに溢れた視線、それを静かに受け止めるジゼルの表情に、ウィリになってしまった女性たちも「誓い」に翻弄されて傷ついた心と深い悲しみを抱いて居るのではないかと。 |