RB 2大人気のタマラ・ロッホ&アリーナ・コジョカルのオデット/オディールが注目されたことは言うまでもありませんが、
今回最も注目されたのは、ゼナイダ・ヤノフスキーでした。約173cmと長身のゼナイダは技術的にも表現力にも非常に優れているにも関わらず、長身男性ダンサー不足のために、
バレリーナとして主役の舞台を飾ることがなかなかできませんでした。しかし今回は、身長約190cmというデンマーク・ロイヤル・バレエのプリンシパル、
ケネス・グレーヴェの客演がその舞台を可能にしました。「ゼナイダにチャンスを!」と願うファンは多く、タイムズ紙とガーディアン紙でも公演前にインタヴューがされるなど、
評論家を含む多くのファンの願いが実現する舞台となりました。
ゼナイダ演ずるオデットは消えてしまいそうなほどに可憐で、ロットバルトの呪いに完全に操られている役作りが非常に印象的でした。
まさにロットバルトの手から何か強い糸のようなものが見えるような錯覚を覚えました。人を信じることへの恐怖感のために王子の目を見つめることもできないその弱々しい姿からは悲痛感がにじみ出ています。
全体的には女性としてのイメージを強く与えながらも、空気に溶けるような首すじやアームスは白鳥の優美さを表し、
オデットのソロのデブロッペ・ア・ラ・スゴンでは大きく羽ばたこうとする白鳥の野性的なイメージが伝わってきました。
2幕のパ・ド・ドゥは、振付ではなくオデットと王子の感情の表れとしか見えないほどに自然、衝撃的な出会いからお互いが徐々に理解を深めていく過程が鮮明に映し出されています。
それは永遠に続いて欲しいと思えるほどにロマンティックなパ・ド・ドゥでした。オディールではウィリアム・タケット演ずるロットバルトとの親子関係が非常に親密に描写されていて、
今までに観たことのない第3幕となりました。完全なる2面相であるオディールはジークフリードに背を向けている(=ロットバルトと絡んでいる)時と、向き合っているときの人間が異なります。
ランベルセやフェッテで振り返った瞬間に違った人格/表情を見せるなど、想像もできなかった解釈とその演技力はまさに「インテリジェントなバレリーナ」と言われるゼナイダならではのオディールでした。
RB初めてのゲスト出演となったケネス・グレーヴェの踊りは気張ったところがまったくなく、絵に描かれたようにハンサムで気品溢れるジークフリードで劇場中を魅了しました。
お手本のように完璧なテクニックとデンマーク・ロイヤルならではの跳躍力(高さよりも空中での伸びを魅せるジャンプ)が鮮明に目に焼きついています。
ゼナイダとのパートナーシップもこれが初めてとは思えないほどに素晴らしく、この組み合わが1公演のみということが残念でなりませんでした。
この二人の舞台が今後も実現するように…と多くのファンが願っています。
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ゼナイダ・ヤノフスキー |
ゼナイダ・ヤノフスキー |
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ケネス・グレーヴェ |
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