ガルシア・ロルカ原作の『血の婚礼』も映画でよく見られるスローモーションやストップモーションをダンス・シーンの重要なポイントに使って、舞台効果を高めている。しかし『血の婚礼』が映画化されたのは初演の6年後である。
スペイン特有のナイフによる決闘と、対立する男の狭間に立たされる花嫁の悲劇を詠う詩。モノクロームの世界に決闘によって飛び散った鮮血の紅が、瞼の裏に焼き付けられる舞台である。
ガデスのダンスの動きの流れに込められた重さ、人生の軌跡を描いているような渋いニュアンスといった魅力はおよばないかもしれないが、ガリアのダンスには若々しい活力と鉄壁のテクニックがあった。
衣裳も洗練されていたしダンサーも粒ぞろいだったが、かつての人間くさい芸達者なダンサーたちが懐かしく回想される雰囲気も残っていた。じつに楽しい舞台だったが、あっという間に幕となってしまった。
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『血の婚礼』 ホアキン・ムレーロ、 クリスティーナ・カルネーロ、 アドリアン・ガリア |