関口 紘一 text by Koichi Sekiguchi
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東京シティ・バレエ団のラフィネ・バレエコンサート2006

 今年の東京シティ・バレエ団のラフィネ・バレエコンサートは、3作品が上演された。
 まずは、20世紀初頭、音楽フレディリック・ショパン、振付ミハイル・フォーキンでマリインスキー劇場で初演された『レ・シルフィード』。バレエ団の理事でもある金井利久が再振付を施した舞台である。作品自体の成り立ちを踏まえた整然とした振付で、シルフと詩人の戯れを目の当たりにするかのようだった。詩人を黄凱、プリマを若生加世子が踊った。
 次は、ダンスワークスを主宰する野坂公夫の構成・振付による『曲-きょくまい-舞』である。ブラームスの「ハンガリー舞曲」の全21曲から10曲を選んで再構成したものに、野坂が振付けている。男性4人女性10人のダンサーが、白いシャツに黒いパンツとサスペンダーを着けて踊った。曲想に富んだブラームスの曲それぞれ1曲づつに、群舞やソロ、パ・ド・ドゥなど構成を変え、ユーモアのある動きをアクセントにして振付られていた。スピーディな展開で見ているだけでも楽しかったが、淡白なダンスでもう少し振付家の執着も欲しいとも思われた。志賀育恵、小林洋壱ほかが踊った。
 最後はやはりバレエ団の理事である石田種生の新作『生贄』である。宗次郎や芸能山城組、ブルッフ、鬼太鼓座ほか様々の音楽を使っている。部族の人々、長老や巫女などが登場する原始的な儀式の中に、主人公の少女と少年が登場する。少女が生贄に選ばれると、二人の愛の姿を描くパ・ド・ドゥが踊られる。関本美奈と佐籐雄基ののびのびと若々しさを感じさせる踊りだった。そして、ラストシーンで演出の機智を見事に見せ、観客にも楽しいサプライズを与えた。
(5月14日、テアラこうとう大ホール)



「曲-きょくまい-舞」

「レ・シルフィード」

「生贄」
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谷桃子バレエ団創作小ホール公演、CREATIVE PERFORMANCE

 谷桃子バレエ団が毎年行っている創作小ホール公演で2作品が初演された。
 振付デビューを果たしたのは前田新奈。鼓童の音楽を使った『くろカミ』である。女性ダンサー4名、男性ダンサー2名による鼓童のリズムにのせた歯切れのいい動き、若々しく小気味のいいダンス。消えることの無い愛の想いを<くろカミ>に象徴させた作品である。
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 もう1作品は、連続4回目の登場となる岩上純の『REQUIEM--時空を超えた愛--』だった。私なりに読みとった物語は、冥界の男と現世の女の愛に横恋慕した女が、男の出自を暴く。男は冥界に戻され、女はユリの花をもって弔い、冥界に迷い込む。冥界の王の前で男は女をかばう。結局、女は現世に戻り、祈りの踊りの中で目覚める、という<逆ジゼル>ともみえるもの。音楽はサン=サーンス、鷲津詩郎、川井郁子ほかを使っているが、冥界をロック風、現世をエスニック風、祈りをクラシックとして構成しているようだ。
 なかなか思い切った振付で、迫力のあるダンスである。ラストの死者への祈りに合わせて女が甦るシーンでは、思わず感動した。全体にやや荒削りなところもあり、冥界のダンスが力強過ぎるような気がしたが、決してひとりよがりのダンスではない。
 クラシック・バレエの伝統にも敬意が感じられ、好感の持てる舞台であった。ただ、できればチラシなどに配役を記するとか、観客が理解する際の何かを提供しておいてもらいたい、と思った。今後の作品に大いに期待したい。
(5月16日、東京芸術劇場小ホール)
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