新国立劇場のコンテンポラリー・ダンス・シリーズは、伊藤キムの新作『花の歴史』と『Close
the door, open your mouth』の再演。ダンサーがカウンターテナーの技を披露して観客を「あっ」と言わせた、『Close the
door, open your mouth』の初演は2001年のことだった。本当に時が経つのは早いもの、というのは余計な感想だが、やはり、カウンターテナーをダンスの舞台に使うということは卓越した発想だろう。身体(ダンス)と言葉と音楽と歌、というジャンルについて感じ、想い、体験して、表現することをトータルにしかも楽しく考えてしまう舞台が、いったいほかにあるだろうか。これはダンスを越えた、しかしダンスの傑作である。