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渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe
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Salome´ガロッタ、ピナ・バウシュなど、シーズン最後のテアトル・ド・ラ・ヴィル

 シーズンの最後にさしかかった5月から7月にかけて、テアトル・ド・ラ・ヴィルには、アンヌテレサ・ド・ケースマイケルやピナ・バウシュなど常連の人気カンパニーが相次いで来演したが、作品的に際立っていたのが、ロレーヌ・バレエ団が上演したジャン=クロード・ガロッタ振付『ドクター・ラビュス』であった。

 現在ディディエ・デシャンが統率するロレーヌ・バレエ団の公演は、6月6日から17日までレ・アベス劇場で行われた。『ドクター・ラビュス』は、1988年にガロッタ自身のカンパニーによってグルノーブルで初演されたガロッタの代表作の一つで、数年前、日本でも上演され好評を博している。今回は、リメイク版だが、今から約20年も前の作品とは思えない軽妙洒脱な舞台を展開し、新鮮な感動を呼び起こした。

 タイプの異なる4組のカップルが、それぞれの関係の機微を演じ分けていくが、振付が多様で変化に富み、想像性豊かな年代の80ヌーヴェル・ダンスの最盛期の一端に触れることができる。とりわけ、4組目の長身でモダンな真紅のチャイナ服の女性と、めがねをかけブルーのチャイナ服に身を包んだ男性のペアが傑出していた。最初、意気投合して踊っていた二人が、途中で男性支配の関係に変わったかと思いきや、最後には、女性の方が強くなり、男は女に従って退場するという意外な結末を見せる。
 4組のペアの踊りを挟んで、最初と最後に、ガロッタのキャラクターをほうふつとさせるダンサーが登場し思わせぶりな仕草をするのも面白い。アンリ・トルグ、セルジュ・フーパンの音響、ジャン=イヴ・ラングレの美術、衣裳も気が利いている。

<ドクター・ラビュス>

 ケースマイケルの新作『D'un soir un jour』は、5月30日から6月12日まで。前半、後半各50分の2部構成で、全6曲の最初と最後に、ドビュッシー曲『牧神の午後』と『遊戯』を配し、間にストラヴィンスキーとジョージ・ベンジャミンの曲を2曲ずつ入れたもの。ドビュッシーは、ニジンスキーの振付からインスピレーションを得たような面が見られるが、どちらかと言うと、ストラヴィンスキーやベンジャミンの音楽の部分の方に、流動的な踊りのオリジナリティが出ていたようだ。

 テアトル・ド・ラ・ヴィルのシーズン最後を締めくくったのは、ピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団(6月17日から7月4日まで)。新作『ラフ・カット(Raugh cut)』は、韓国をテーマにしたもので、ピナ・バウシュが長年取り組んでいる世界都市シリーズの一環。
 ことさら韓国の風俗習慣が強調されたわけではなく、時々白菜の葉を扇子替わりに仰ぐなどのシーンが見られたのがユーモラスでもあった。激しいパーカッションに合わせた踊りが多いのが特徴で、かつてのようなアクの強さが感じられなくなったとはいえ、ダンサーたちは達者な踊りで健闘。中では、若いトゥスネルダ・メルシーが徐々に存在感を増しているのが注目された。

ピナ・バウシュの新作<ROUGH CUT>
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バレエ・ビアリッツ公演

ティエリー・マランダン率いるバレエ・ビアリッツが、5月26日から28日までシャイヨ劇場に来演し、ベートーヴェン作曲『プロメテウスの創造物』にマランダンが振付けた『創造物』を上演した。この作品は2003年の初演。序曲からフィナーレまで15曲からなり、各曲にアダムとイヴ、ロイ・フラーとイサドラ・ダンカンなどテーマがつけられ、ソロからデュオ、トリオ、全員によるアンサンブルなどで構成されている。男女ともに水泳選手を思わせるたくましさで、舞台狭しと躍動的に踊るのに圧倒された。
 なおシャイヨ劇場の2006−07年のシーズンは、フォーサイスを皮切りに、様々なダンスのプログラムが組まれている。

◇フォーサイス・カンパニー『THREE ATMOSPHERIC STUDIES』10/4〜7
◇リチャード・シーガル『STRANGER/STRANGER REPORT』ソロ 10/5〜21
◇ジャン=クロード・ガロッタ『踊る人々』10/13〜20 
◇フィリップ・ジャンティ『ZIGMUND FOLIES』12/9〜16
◇ヒロアキ・ウメダ ソロ 2007年1月17〜27日
◇ブランカ・リ『CORAZON LOCO』1/18〜28
◇アブー・ラグラー『MATRI(K)IS』2/3〜8
◇ドミニク・ボワヴァン『A QUOI TU PENSES?』2/8〜15
◇ベアトリス・マッサン『QUE MA JOIE DEMEURE』2/14〜17
◇フランソワーズ&ドミニク・デュピュイ『LE REGARD PAR-DESSUS LE COL』
◇フィリップ・ドゥクフレ『ル “ソンブレロ”』5/16〜6/16
◇フィリップ・ドゥクフレ ソロ 6/22〜30
●会場は、サル・ジャン=ヴィラール、サル・ジェミエ、スタジオの3カ所。
●問い合わせは、www.theatre-chaillot.fr,TEL 33-1 53 65 30 00


<パリ、ダンスの夏>にエイリー舞踊団他

昨年第1回がスタートした<パリ、ダンスの夏>2回目の今年は、アルヴィン・エイリー舞踊団などが招かれ、7月3日から約3週間にわたって、エイリーの傑作集を中心としたプログラムを上演する。
 会場は、国立古文書館(Les Archives nationales, 60,Rue des Francs-Bourgeois 75003 Paris, 最寄りの地下鉄=1号線SAINT PAUL または HOTEL DE VILLE)。
 日程は次の通り。開演は各夜21時45分。

◇エイリー舞踊団<開幕の夕べ>7月3日
◇同<ジャズの周辺> 7月4、5、6、7、8日
◇同<アルヴィン・エイリーをたたえて> 7月17、18、19、20、21、22日
◇ヒップ・ホップ公演<パ・ド・カルチエ> 7月9、16、23日
●問い合わせ=www.lesetesdeladanse.com


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