渡辺真弓 text by Mayumi Watanabe
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●ジローの初主演でマッツ・エックの『ジゼル』
 オペラ座でマッツ・エック振付の『ジゼル』が初演されたのは、93年のことだった。初演の配役は、ジゼルにマリ=クロード・ピエトラガラ、アルブレヒトに当時まだ第一舞踊手だったニコラ・ル・リッシュ、ヒラリオンに同じく第一舞踊手のジョゼ・マルティネズという組み合わせで、その時の鮮烈な印象は今でも忘れがたい(交替はモニク・ルディエール、カデール・ベラルビ、パトリック・デュポンのエトワール・トリオだった)。それから96、98、2001年と再演を重ね、今回3年ぶりの再演となった。公演は5月18日から6月1日までガルニエで。

 ジゼルは、初挑戦のマリ=アニエス・ジローとこの役にはすでに定評あるセリーヌ・タロン、アルブレヒトはル・リッシュとカデール・ベラルビ、マニュエル・ルグリの各交替で、ヒラリオンは、ロモリのけがのため、マルティネズが全日踊るという変則的キャスティング。タロンもけがのため、後半ルグリのアルブレヒトと共演しただけだったため、見られなかったのが心残り。

 この作品は、これまで何回も見ているにもかかわらず、初めて見るような新鮮な味わいがあった。まず、コール・ド・バレエは、完全にマッツ・エックの世界に溶け込んでいるのだが、ダンサーたちの一つの動きもおろそかにしない真摯な取り組みが、作品に新たなエネルギーをもたらしているようだった。ル・リッシュとマルティネズも、初演以来踊りこんでいる自分の役柄に、新しいニュアンスを加えそれぞれ素晴らしかったが、今回ここにジローという新しいジゼルが登場するにおよんで、作品がさらに生まれ変わったようだった。ジローのジゼルは、これまで見たどのジゼルとも異なる役作りで、可憐でもなく、正気を失っているといった風でもない。どちらかというと、現代女性を象徴するように、知的で自由を求めるたくましい女性のイメージである。そのため、1幕よりも精神病院のシーンになってからの踊りが、無限の広がりを感じさせ、ジローのダイナミックな魅力が生きていたように思う。ル・リッシュ、マルティネズというスケールの大きな共演者に囲まれたのも相性のよさを感じさせた。コンテンポラー中心の傾向が強い9月からの新シーズンに向けて、新エトワール、ジローの活躍に大きな期待を抱かせた舞台だった。

<ジゼル>第2幕より
マリ=アニエス・ジロー

<ジゼル>第2幕より
ジロー、ル・リッシュ

<ジゼル>第2幕より
ジロー、ル・リッシュ
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●オペラ座ガルニエのグラン・フォワイエがリニューアル
 昨年から1年がかりで修復工事を行ってきたガルニエのグラン・フォワイエ(大サロン)がこのほど工事を完了し、5月初めからお披露目。中央に設計者シャルル・ガルニエの胸像が置かれているこの大広間は、従来、ややくすんだ色彩になっていたが、5,800万ユーロの修復費をかけて、金箔を張り替え、ポール・ボードリー作の天井画などをきれいに洗い、1875年開場当時の黄金色の輝きと艶を取り戻した。そのまばゆさは、従来とは全く印象が異なるほどで、ガルニエを訪れる人たちの目を楽しませている。修復間もないためか、現在は、ロープがかけられ、大広間全体を歩くことはできないのがちょっとさびしい。
 なおリニューアルに伴い、< L'Opéde Charles Garnier(シャルル・ガルニエのオペラ座)> (Géard Fontaine 著、monum, Edition du Patrimoine 刊)が出版された。

リニューアルされたオペラ座の
グラン・フォワイエ

 

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