タップダンスのフェスティバル「タップ・シティー」
毎年恒例の、ニューヨークのタップダンスのフェスティバル、「タップ・シティー」が、オン・ブロードウェイ・シアターのThe
Dukeで、7月11日から14日まで行われました。ドラム、ベース、ピアノの3人のミュージシャンによる生演奏つきでした。
私が観た公演は、12日の『タップ・インターナショナルズ』と、14日の『タップ&ソング』でした。
『タップ・インターナショナルズ』では、世界中から参加していて、アフリカ、フィンランド、台湾、ロシア、オーストリア、日本、ブラジル、アメリカ、スペインから来た人たちが踊りました。フィンランド、ロシアのタップも上手だったです。
オーストリアのマックス・ポラックと日本の岩堀ちか子がペアで、ルンバのリズムでタップを踊りましたが、これも面白かったです。アメリカ人の4人組の、バンジョー音楽にのったタップもものすごく上手で、アメリカらしくてよかったです。ブラジルのダンサーは、すごくオデブなのにカーニバルの格好で頭の上にはたくさんのフルーツの飾りをのせてでてきて、それだけでも客席は笑いの渦になっていました。オデブなのに動きが軽やかで、タップは上手でした。
日本からは、熊谷和徳もいるZENという4人組(男性3人、女性1人)が出ました。みんな、上手でした。振付はDerick.K.Grantです。Derickはダンススタジオのステップスでもタップを教えている方です。
さて、トリを飾ったのは、日本から来た熊谷和徳です。これは、一番抜きん出ていて、すごかったです。みんな、客席の黒人たちも、口をポカンと開けて、呆然として見つめていました。すごい才能ですね。振付も熊谷自身によるもので、おそらく即興でしょう。バックのジャズの生演奏にあわせて踊りました。彼の踊りは、セヴィオン・グローバーの影響をとても受けていますが、彼自身の個性もすごくあって、世界的レベルにいっていると思いました。リズムの強弱のコントロールも、とても正確です。彼は、ニューヨークでも十分実力を発揮してやっていけることでしょうけれど、現在は日本に帰国して、東京で活動しているのですね。熊谷のタップは、すごいです。ぜひ、日本にいる皆様も、一度は生で観劇してみてください。きっとあなたもタップをやりたくなってしまうことでしょう。熊谷の今後の活躍も期待しています。
リンカーン・センターの平成中村座
毎年恒例のリンカーンセンター・フェスティバルに、日本から歌舞伎の「平成中村座」が招聘されていました。中村勘三郎が率いています。今回は、2つの演目を数日間公演していました。歌舞伎は、男性役も女性役も男性が演じます。ソールドアウトだったそうで、大盛況でした。
リンカーンセンターの中のアベリー・フィッシャー・ホールで上演されましたが、舞台のセットなども歌舞伎のために作られていました。客席2階の両脇は、一列にずらっとちいさなちょうちんがぶら下げられ、舞台カーテンも歌舞伎のものがつけられていました。これだけで、舞台が始まる前から、歌舞伎の気分になってきました。
7月16日に、『連獅子』を観劇しました。短い演目で、1時間で終わりました。こちらは、セリフは少しだけです。親子の3人の獅子がでてきて、舞いが多くて面白かったです。全部が見所のような、濃くて短い作品でした。
最初は小さな獅子舞用の獅子をそれぞれ手に持って舞い、扇子を手に持って舞うところもありました。時々、バンッと片足で床の板を踏み鳴らしながら、舞っていました。片足を曲げてケンケンしながら反対側の手を前に出して、そのまま前に進んでいくところや、見得をきるところがでてきたときは、イメージの歌舞伎らしくて面白かったです。
メインはすごく長い獅子の毛を頭からかぶった3人が、頭を客席にぐるぐると回すところで、これがクライマックスです。その2mくらいある長ーい毛をぐりんぐりんと回します。獅子は、白い毛が2人と、勘三郎さんの赤い毛が一人です。
7月22日は『法界坊』を観に行きました。こちらは、3時間の長い作品で、途中で休憩もありました。コメディーとホラーが一緒になったような、楽しくて面白い作品で、観客は何度も大笑いしていました。私も何度も大笑いしました。
アメリカ人向けにニューヨーク版として脚色されていて、ナレーションは英語、勘三郎さんも時々英語で話ししていました。途中、筋骨隆々とした黒人男性が雷様に扮してでてきました。セリフのほとんどは日本語なので、日本語が分からない人のために、翻訳機のイヤホンを無料で貸し出ししていました。舞台は、セリフと演劇と、生演奏(鼓、三味線など)が合っていて、ちょうど効果音のようにも音楽のようにも聴こえてきて、とてもよかったです。
途中、勘三郎さんが扮している法界坊は、ソロで、「かっぽれダンスを踊ります」と言って、「あ、かっぽれ、かっぽれ」とコミカルな踊りを披露していました。
第一部と第二部では演劇が続きましたが、第三部は一番の見所で、殺された法界坊と姫の魂が合体して恨みを持つお化けになって復讐にでてきました。舞台上で早変わりが何度かあり、メイクもカツラも歌舞伎らしい怖い顔で長めの逆立った髪になり、桜吹雪が天上からたくさん舞う中、何度も何度も目を見開いてにらんで、大見得をきっていました。客席は大興奮して、盛り上がりました。すごい迫力で、圧倒されました。最後は、一瞬も見逃してはならないシーンでした。
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