ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA >>
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皆様、こんにちは。ニューヨークは暖かくなり、春真っ盛りです。桜もモクレンの花も満開です。と同時に、ニューヨークは花粉症の人がとても多くなる季節でもあります。日本はいかがでしょうか?お体だけには気を付けてくださいね。4月はバレエ公演がほとんどなかったので、今回はコンテンポラリーダンスのレポートをお送りします。また5月にはニューヨーク・シティー・バレエの公演が行われるので、来月号はその世界初公演の『ロミオとジュリエット』をぜひレポートしたいと思っています。お楽しみに。
マックス・ポラック & ルンバ・タップがジョイス・ソーホーで公演
4月5日から8日まで、ジョイス・ソーホーにて、マックス・ポラック & ルンバ・タップの『Viis』の初公演がありました。ジョイス・ソーホーは、ジョイスシアターの系列の小さな劇場です。おしゃれなブティック街のソーホーのど真ん中にあります。客席と舞台が同じフロアー上にあって至近距離なので、特にタップダンスなどはすごい迫力で観ることが出来ます。ニューヨークに旅行でお越しの機会があれば、ジョイス・ソーホーのダンス公演もチェックして観劇するのもおすすめです。
マックス・ポラック & ルンバ・タップは、ニューヨークをベースに活動しています。彼らはとてもニューヨークらしいタップ・ダンスカンパニーなので、レポートしてみました。以前、このコラムでも、タップシティー(ニューヨークのタップのフェスティバル)に出演していたものをレポートしたことがあります。タップダンスはもともとジャズのリズムで出来上がっていったものですが、最近はヒップホップのリズムを使ったファンク・タップなども出てきていて、バラエティーがあります。
マックス・ポラックは、1991年にニューヨークに移住後、ラテン・キューバン・コミュニティーの影響を受け、自分のパフォーマンスにアフロ・キューバン・ジャズの音楽の要素を取り入れて、独自のスタイルを確立しました。彼は、もともと大学でジャズを専攻したプロのドラマーだったそうです。
ニューヨークにいるタップダンサーには、パーカッショニストも兼ねている人たちも大勢います。タップダンスはリズム感が重要な要素なので、打楽器奏者がタップを取り入れたり転向するケースが多いのでしょうね。
今回の公演は、6人のミュージシャンたちの生演奏と4人のダンサーたちのコラボレーションです。マックス・ポラックとポール・カールトン(メンバーのサックス奏者)が作曲したオリジナル曲を使った公演です。
ダンサーの一人は日本人女性で、岩堀チカコです。ダンサーは4人だけですが、人種がとてもバラエティーに富んでいて、黒人男性、フランス人女性、そしてオーストリア出身のマックスです。パーカッシヴな音楽に乗って、途中にはタップダンスのバトルも繰り広げられて、歌もあり、楽しく明るい公演でした。彼らは、自分たち独自のカラーで表現しているので、面白いと思います。
マックス・ポラック
レ・バレエ・ジャズ・ドゥ・モントリオール(BJM-dance)
ロドリゴ・ぺデルネイラス『マパ』
4月17日から22日まで、ジョイスシアターにて、レ・バレエ・ジャズ・ドゥ・モントリオール(BJM-dance)の公演がありました。1972年に始まったダンスカンパニーで、割と歴史があります。現在の芸術監督は、1973年生まれのルイス・ロビターリュです。ダンサーたちもとても上手で、レベルが高かったです。この公演は、バレエベースのコンテンポラリー・ダンスでした。変わった振付で面白く、良かったです。
『マパ』は、グルーポ・コルポの振付家ロドリゴ・ぺデルネイラスの作品です。クラシック・バレエとブラジリアン・ポピュラー・ダンスが混じったものでした。
舞台の後方の壁一面は、テキスタイルのようなモノクロの模様でした。スローなリズムの曲と早いリズムの曲が交互に使われ、メリハリがありました。とても変わった、個性的な振付でした。手の力を抜いてぶらぶらさせたまま、ビュンビュンと早い動きで振り回すように踊ったり、手足をぶらぶらさせてロボットか何かのように動くところが面白かったです。手をあまり使わないで表現する振付のところもありました。打楽器の音が多い、ブラジリアン音楽がたくさん使われていました。最後は、全員が床に寝転がって終わりました。
ロドリゴ・ぺデルネイラス『マパ』
『ル・シャンブル・ドゥ・ジャック』は、Aszure Bartonというニューヨークベースに活動している振付家の作品です。カナダ出身です。
彼女の振付は、ニューヨークではミハイル・バリシニコフがとても評価しているので、今後ますますの活躍が期待されるでしょう。この作品は、BJM-danceのために2006年に創作されたものです。ウエスタンのようなリズミカルなヴァイオリンの曲と、オペラ風の歌曲が交互に組み合わされていました。中東のような音楽の部分もありました。踊りはコンテンポラリーの振付です。ソロから10人以上の群舞もあり、振付はバラエティーに富んでメリハリがある作品でした。
『ル・シャンブル・ドゥ・ジャック』
スティーブン・ペトロニオ・カンパニー
4月24日から29日まで、ジョイスシアターにて、スティーブン・ペトロニオ・カンパニーの公演が行われました。以前にもレポートしたことがあるカンパニーです。1984年に創立され、25カ国で公演してきています。スティーブン・ペトロニオは、ニュージャージー出身です。
上演された作品は5つの小品集で、世界初演の『ウィズアウト・ユー・・』、『ザ・シップ・ソング』、『バッド・スイート』、プレビューの『ディス・イズ・ザ・ストーリー・オブ・ア・ガール・イン・ア・ワールド』、『リボーン』です。『バッド・スイート』は、以前もレポートしたことがある作品です。どれも、個性的で面白い振付で、良かったです。リズムが不規則で全体にランダムな印象で、それによって何かを物語っているような詩的な作品でした。
今回の彼の振付には独特の特徴があって、手の平と指をそろえてまっすぐにぴんと張って、ひじも伸ばしたまま手を動かすところがとても多かったです。手の平はにぎったままひじを伸ばして腕を動かすところもありました。しかし、バレエのようにいつも脇は大きく開いているので、手足は大きく伸び伸びとしているのにロボットのような動きでした。バレエの基本のように、ヒジを少し曲げて手の平をやわらかく丸く内側に向けるアンオウにすることはほぼありませんでした。脇の部分だけは開いて踊るところだけバレエと同じでした。
『バッド・スイート』
『ザ・シップ・ソング』は、男性2人、女性2人が横一列になってくっついていて、ゆっくりの曲にのって、4人それぞれが隣の人にまとわりついたりしているだけの変わった振付でした。まとわりついたまま、みんなバラバラに動いたり、もだえたり、抱きついたりしていました。踊りの動きの要素は少ないですし、空間もほとんど使っていないですが、面白いアイデアだと思いました。
『ディス・イズ・ザ・ストーリー・オブ・ア・ガール・イン・ア・ワールド』でソロを踊った黒人女性ダンサーのダヴァロス・フェアロンは、とても素晴らしいダンサーで、抜きん出ていました。筋肉に弾力性があり、ダンサーとして恵まれた肉体です。生まれつきの才能ですね。彼女は公演では、髪を全て剃って、スキンヘッドにしていました。男性のようにも女性のようにも見えました。
『ディス・イズ・ザ・ストーリー・オブ・ア・ガール・イン・ア・ワールド』
ダヴァロス・フェアロン
『ディス・イズ・ザ・ストーリー・オブ・ア・ガール・イン・ア・ワールド』
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