みなさまこんにちは。ニューヨークでも、暑い日が続いています。それでも、例年よりは涼しい様子です。7月もダンスやバレエの公演シーズン真っ盛りでした。特に毎年恒例の、リンカーンセンター・フェスティバルは、世界中から選りすぐったダンスカンパニーが招かれて公演をするので、大変興味深く、私はできる限り鑑賞させていただいています。今年はこのフェスティバルで公演の数を多く観たので、今月号と来月号と2回に分けてレポートをお送りします。
アメリカン・バレエ・シアターの公演から『マノン』ほか
5月22日から7月15日まで、リンカーンセンターのメトロポリタン・オペラ・ハウスで、ABT(アメリカン・バレエ・シアター)の公演シーズン中でした。7月には、3つの公演を観ました。
| 『マノン』は、このシーズンに特別に上演されるものです。初演は、1974年、ロンドンで、英国ロイヤルバレエによるものでした。主役のマノンはジュリー・ケント、相手役はホセ・マヌエル・カレーニョです。加治屋百合子も良い役で踊っていました。印象に残ったシーンは、最後の幕で、舞台セットが素晴らしかったです。マノンが最後に亡くなるのですが、その直前の死にかけの時に、彼女の魂がこの世とあの世の狭間を行ったり来たりしている様子を表現していました。舞台セットは、後ろ半分の背景シーンと、マノンたちがいる舞台前半分のシーンに分かれ、その間には舞台の端から端まで、上から下に太いグレーのボロでできたようなヒモがたくさん垂れ下がっていて、後ろ半分のシーンや今までの人生の出来事を回想している内容を演じているダンサーたちが透けて見えるようになっていました。この、霊界とこの世の狭間をこのような太いヒモを使った舞台セットで表現しているなんて、このアイデアはとても素晴らしいと感動しました。 |
『マノン』 |
『海賊』は、アンヘル・コレーラが奴隷役をやっていて、ふだんの王子様役と違った、荒々しくて男らしい演技と踊りはとても素晴らしかったです。この作品で、現在の一番の見所は、やはり、アンヘルの奴隷役の踊りだと思います。私は、彼の踊りが目に焼きついて忘れられません。アンヘルの出番は少しなのですが、公演が終わってカーテンが下り、カーテン・コールに出てくるときには、アンヘルが一番たくさん花束を投げられていて大喝采でした。この作品はプリンシパルたちがいつもよりもたくさん出ていて豪華で、デヴィッド・ホールバーグ、エルマン・コルネホ、パロマ・ヘレーラ、シオマラ・レイエスです。特に、男性たちの大ジャンプが多く、力強い踊りをたくさん観ることが出来ます。
『ロミオとジュリエット』は、アンヘル・コレーラとシオマラ・レイエスが主演です。シオマラのジュリエットは初めて観ましたが、とても可憐な少女の感じがよく出ていて、はまり役でした。特に、最後に命を絶つシーンが繊細に演じられていて、客席も感動で盛り上がりました。アンヘルは出てくるだけで客席がどよめくスターでした。有名なバルコニーでの2人の密会のシーンもとても美しかったです。
熊谷和徳も出演した「タップ・シティー」
7月8日から22日まで、ブロードウェイ・シアターのザ・デュークで、ニューヨーク・シティー・タップ・フェスティバルの、タップ・シティーの公演がありました。これは、1986年に創立された、NPOのアメリカン・タップ・ダンス財団によって行われていて、今年は第6回目です。プロデューサーは、トニー・ワッグです。この期間、ニューヨークでは、この団体によって様々な先生とレベルのタップ・ダンスの短期講座が開催されていて、レッスンを受けることができます。
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私が観に行った公演では、『タップ&ソング』と、『タップ・フォワード』が上演されました。様々なタップダンサーたちが招かれて出演していて、ひとり1作品ずつ、次々に踊っていきました。バンドはベース、ドラムス、ピアノやサックスで、ジャズの生演奏です。タップの盛んなニューヨークらしい公演で、観ているだけでもとても楽しかったです。オーソドックスでトラディショナルなタップもあったし、新しいファンク・タップや、ラテンのリズムにあわせたルンバ・タップなどもありました。
途中、私がクラスを受けているタップの先生が出演していて、びっくり! 彼が出るとは知らなかったので、驚きました。チャールズ・ゴッダーツです。日本人で成功しているタップダンサーの、熊谷和徳も出演していました。彼の踊りは一番すごかったです。早いし、リズム感があって音が大きく、抜きん出ていて会場の拍手も大きかったです。みんな、息を呑んで観ていました。 |
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