皆様、お元気ですか?
ニューヨークは、すっかり肌寒くなってきました。秋になり、ダンス公演がたくさん開催される時期になりました。これから年末にかけて、様々なダンス公演が目白押しです。どれを観ようか迷ってしまうくらいです。
●「フォール・フォー・ダンス・フェスティバル」
去年から行われている、フォール・フォー・ダンス・フェスティバルが、ニューヨーク・シティー・センターで9月27日から10月2日まで開催されました。これは、世界各国の様々なダンスカンパニーの作品を、オムニバスで、たった10ドルのチケット代で観ることが出来る素晴らしい企画です。ダンスを勉強中の学生たちにとっても、ダンス鑑賞の絶好の機会になっている様子でした。
私が今回観たものは、10月1日の公演です。グラン・バレエ・カナディアンの『マイナス・ワン』、ナイ・ニ・チェンによる『パッセージ・トゥ・ザ・シルク・リバー』、ベンジャミン・ミルピード&カンパニーによる『サーキュラー・モーション』、ブレンダ・アンジール・エアリアル・ダンス・カンパニーによる『エア・コンディション』、ポール・テイラーによる『エスプラネイド』です。1晩で、てんこ盛りの内容でした。
グラン・バレエ・カナディアンの『マイナス・ワン』の、最初の作品は、以前観た、イスラエルのバドシェバの作品と同じ振付でした。今回見たこの日の公演のなかで、一番、振付が良かった作品です。半円状にイスを並べて、大人数で踊るものです。他には、胴体に順番に、バケツに入った泥を塗りつけていき、激しく踊るものもありました。面白かったです。
ナイ・ニ・チェンは、中国に昔から伝わっているような踊りと、コンテンポラリーをミックスさせたような振付でした。中国の着物の長い袖を振って、ぐるぐる回してはためかせて踊るものもありました。
ベンジャミン・ミルピード&カンパニーは、グランドピアノ2台で生演奏にのって踊りました。振付はダイナミックでとてもよかったです。ダンサーは男性4人のみです。
ブレンダ・アンジール・エアリアル・ダンス・カンパニーは、天井からワイヤーでダンサーたちがつるされており、ステージにはドライアイスのスモークに満ちていて、空中に浮きながら、まるで雲の上にいるかのような踊りでした。宙に浮いているので、ゆっくりジャンプや回転をしたり、逆さに吊られて踊ったり、普通のダンスでは考えられないような振付でした。
ポール・テイラーは、これは以前観たことがある作品でした。このコラムのバックナンバーにも書きましたので、省略させていただきます。
●ナショナル・バレエ・オブ・チャイナ(NBC)
ナショナル・バレエ・オブ・チャイナの『レイズ・ザ・レッド・ランタン』の公演が、BAMで、10月8日から12日まで行われました。初めて観ましたが、舞台セットも衣装も豪華絢爛で、技術的にもとてもレベルが高いダンサーばかりで、見応えがありました。題材は中国の物語です。
NBCは、中国人ダンサーのみのバレエ団として、1959年に創立されました。80名以上のダンサーが所属しているそうです。
今回の公演のストーリーは、1930年代の中国が舞台の、不倫の物語でした。物語の内容は、よくありがちなメロドラマでしたが、豪華な舞台セットと衣装が、とても素晴らしかったです。昔の中国の王朝の様子が描かれていました。朱色と金色、水色とうす紫とピンクなど、派手で鮮やかな色に満ちていました。同じ派手でも、色使いのセンスは、ヨーロッパのものとは全く違います。東洋的な感じでした。物語は中国が舞台ですが、振付はクラシック・バレエで、トウシューズで踊っていました。中国とヨーロッパの文化であるバレエが混ぜられていて、ミスマッチな感じでしたが、意外になじんでいて感心しました。
権力を象徴するものとして、庭に灯されたたくさんの赤い提灯がでてくるシーンがありましたが、紙で出来ている提灯を手で順番にたくさん破いていきました。毎回、新しい提灯を、あらたに舞台セットのために用意しているのでしょう。
中国の京劇もでてきました。特に京劇のメイクと衣装が、とても東洋的で、アメリカ人にとってエキゾチックな演出になっていて、効果があったと思います。全体を通じて、とても面白い作品でした。
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