●グレゴリー・ハインズがコラボレートしていたジャズ・タップ・アンサンブル
11月23日から28日まで、ジョイスシアターにて、ジャズ・タップ・アンサンブルの公演が行なわれました。25周年を迎える、アメリカならではのタップダンス・カンパニー。今は亡きタップダンスの巨匠グレゴリー・ハインズが、創立当初からコラボレートしていました。彼は2003年に57歳で亡くなっています。この公演では、彼の生前のタップダンスをしている映像がスクリーンで流れました。さすが、他のダンサーと何が違うかというと、重心がびくともしないのです! 映像での彼は、軽々と楽に踊っているようにしか見えず、とても余裕のあるタップを踏んでいました。アメリカの文化であるダンスとジャズ・ミュージックの2つを取り入れています。ハインズは、タップ・ダンサーだけに留まらず、俳優、歌手としても活躍しました。3歳になる前からタップダンスを始めたといいます。
現在の舞台監督はリン・ダリーです。楽しそうな公演で、観ていると思わず、タップを習いたくなってしまいます。ジャズバンドの生演奏に乗って、タップダンスが繰り広げられました。ピアノ、サックス、ベース、ドラムの4人のミュージシャンに、時々歌も入っていました。贅沢なひと時でした。伝統的なタップである、ビ・バップの早いテンポのものが多かったです。途中、バンドの演奏とダンスの交互にからむセッションもありました。
●視覚的演奏がたいへん個性的だったジョン・ジャスパース・カンパニー
12月7日から11日まで、BAMにて、ジョン・ジャスパース・カンパニーの『カリフォルニア』の公演が行なわれました。振付はジョン・ジャスパース、音楽はジョナサン・ベプラーによるものです。ジョン自身も出演しています。彼はニューヨークを拠点として活動しています。彼は、1996年にNPOのシン・マン・ダンス・インクを作り、2003年にフランス・リヨンにアソシエイション・Chapitreを作りました。
| この公演は、今まで観たことも無いような、変わった個性的な独特なものでした。音楽も振付も、独自のコンテンポラリーです。踊りの振付自体は、全くのコンテンポラリーで、難しい動きは全く無くて、とても簡単なものでした。舞台の4隅に、4台のピアノとピアニスト、その隣にさらに一人ずつ4人が小さなテーブルの上に大小の玉や箱などを置いて座っていました。楽器はそれだけです。これで音を出して、全編生演奏でした。小さなテーブルの前に座った4人は、玉などを箱やステンレスのボールに落としたり投げたりして、音を出していました。ピアノも伴奏というより、1音ずつ鳴らして、ささやきや雑音のような音でした。変わった音楽です。途中、ピッチャーに入った水をジョロジョロと流しつづけて川か水の音をだしていました。ビニール袋をくしゃくしゃにしたり、ミニカーを走らせたり、物をぶっ壊して音を出しているシーンもありました。なべに豆粒を一粒ずつ投げ入れて音を出してみたり、すべて身のまわりのものを使って変わった音を出していました。ピアニストも、グランドピアノの弦の部分に紐を通して、それを左右に引っ張ってこすって、バイオリンのような変わった音を出したりしていました。この音楽は、生演奏で視覚的に音を出すというところがとても面白かったです。リズムが無いので、音を合わせる練習が大変だったことと思います。 |
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ダンサーたちは、両足をルルベしたまま、片足を1歩宙にだしてしばらく止まって、歩いたり向きを変えたりしているだけだったり、取っ組み合いのような動きをしたり、座ったまま動いたり、寝転がって動いたりしていました。振付は、全体に似たような動きばかりが続きました。舞台上に、船の帆のような、プロペラを思わせるようなオブジェがぶら下がっており、ダンサーたちはこれに大きなドライヤーで風を当てて動かしたりしていました。
この作品は、音楽のような効果音のほうが、振付よりも面白かったです。観てみてよかった作品でした。 |