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ニューヨーク・シティー・バレエの『眠れる森の美女』
 
 2月27日に、ニューヨーク・シティー・バレエの『眠れる森の美女』の公演を観にいきました。チャイコフスキー作曲のおなじみの古典作品で、バレエをやっていた人なら皆、習ったことがある有名な踊りがたくさんでてきます。私はこの作品の第2幕の最後、結婚式のシーンででてくるブルーバードの踊りが大好きなのです。懐かしく思い出しながら鑑賞できました。嬉しかったです。

 ニューヨーク・シティー・バレエのこの作品は、舞台セットが現代的でした。最初、舞台いっぱいに大きなスクリーンがあり、そこには、お城に続く小道が映し出され、だんだんお城に近付いてアップになりました。第二幕が始まる前にも、スクリーンに、100年の眠りの間にヤブに包まれてしまったお城の周辺が映し出されていました。衣装のセンスも素晴らしく、豪華でした。特に、オーロラ姫を眠りの呪いにかけてしまう悪い魔女とその子分達の衣装は、すべて黒でとてもカッコいいものでした。蜘蛛の馬車に乗って現れ、4人の子分達は黒い蜘蛛のような格好をしていました。悪役ですが、他のいい妖精達に比べて、一番キマッた衣装でした。

 第一幕の最後のほうでは、オーロラ姫のソロで、ピルエット12回転とそれに続くシェネが披露されました。その直後にオーロラ姫は魔女に眠りの呪いをかけられて、眠りこんでしまいます。その後、噴水からリラの妖精が出てきて、オーロラ姫が眠りから覚めるまで、王様もお后様もお城の人達をそろって全員、眠りの魔法にかけてしまいました。


ニューヨーク・シティー・バレエ
「眠れる森の美女」



 第二幕では、王子様ご一行が森にやってきます。王子様は一人森に残って、ライラックの妖精の導きによってオーロラ姫のところにやってきます。このときは、妖精は王子を船に乗せて川を渡って移動しますが、本当に大道具の大きな船に乗って、ドライアイスで埋まった舞台を通り過ぎていきました。オーロラ姫は王子のキスによって100年の眠りから目覚め、結ばれます。彼らの結婚式のシーンでは、彼らを祝福するために森の動物たちも踊ります。ゴールド、ダイアモンド、ルビー、エメラルドの踊り、ネコ達、ブルーバード、オオカミと赤頭巾ちゃん、リラの妖精など。3人の男性ピエロの踊りは、高く飛び跳ねて上で大開脚して、その度に観客はどよめいて大拍手でした。最後は王子様とオーロラ姫のグラン・パ・ド・ドゥで、その後は全員のフィナーレで締めくくりました。


ニューヨーク・シティー・バレエ
「眠れる森の美女」

ニューヨーク・シティー・バレエ
「眠れる森の美女」


アルミテージ・ゴーン!・ダンスのユニークなダンサーたち


 3月2日から7日まで、25周年を迎え、ニューヨークを拠点とするアーミテージ・ゴーン!・ダンス(Armitage)の公演が、ジョイスシアターにて行なわれました。 このカンパニーは、1979年に、キャロル・アーミテージによって創設されました。現在のアーティスティック・ディレクターも彼女が務めます。 彼女はもともとは、ジョージ・バランシンが演出していた頃の、スイスのバレエ・ドゥ・グラン・シアター・ドゥ・ジュネーヴのメンバーで、クラシック畑出身です。 彼女はクラシックとコンテンポラリーを組み合わせ、混ぜているこが特色で、フリーの振付家としても活躍してきました。 今年2004年は、彼女はヴェニス・ビエンナーレ・オブ・コンテンポラリー・ダンスのディレクターを務めます。
 世界的に活躍している日本人ダンサーのエダ・メグミさんが出演し、長いソロなど、中心的に踊っていました。ダンサー達のプロフィールを見ると、 アーミテージのダンサーの集め方は、とてもバラエティーに富んでいて個性的です。 イスラエル、イタリアなど出身地も様々で、会計学士をフロリダ大学で取った後にダンサーに転身した詩人もいました。 今回出演した12人のダンサーのうち、なんとニューヨーク出身の2人はダンススクールに通ったことがない独学のダンサーで、 15歳くらいから夜な夜なナイトクラヴでダンサー達を見習って踊って練習してきた人達だったので、驚きました。これは前代未問ですね。 そして今回のコラムの冒頭で触れました、インドのヨガ行者のダンサー、シャーミラ・デサイも出演しました。スーパー・ヨガ・ダンス。 経歴を読んで納得、彼女はインディアン・ダンサー達を多く輩出してきた家系の出身で、彼女の叔母のメナカ、祖母のヒマ・デヴィは、伝説的なダンサーでした。 きっと彼女は幼少時から本物のヨガを体得する環境に恵まれていたのですね。とにかく初めて彼女のダンスを観た時に、 今まで観たことのあるヨガと比べて明らかに難度が高いうえ、個性的で他のダンサーが真似できないので、絶句してしまったのです。 クラシックのバレリーナでも出来ない振付です。「これは踊れない!」と思いました。そして思わず夏頃のこのコラムにて、自分で撮った写真
しか無かったのに書いた次第です。我ながらダンサーを観る目は狂っていませんでした。彼女はまだ若いので、これからブレイクしていくことでしょう。 彼女の踊りは、マーシャル・アートとヨガ、インディアン・ダンスを混ぜています。最近では、ロンドンの
インスティチュート・オブ・コンテンポラリー・ダンスなどで、ソロ・パフォーマンスをしています。



アルミテージ・ゴーン
 『タイム・イズ・ザ・エコー・オブ・アン ・アクセ・ウィズイン・ア・ウッド』という一つの作品ですが、休憩無しで、6つの ダンスで構成されています。これは今回が初演の作品です。舞台背景は、細い銀色の金 属の鎖がたくさん平面状にぶら下がり、後ろと左右の3面を囲んでいました。その鎖か らダンサーが現れたり消えたりしていました。ダンスは、クラシックのように中心をピタ ッと捉えて常に軸のバランスを取るものではなく、軸をまっすぐ取らずにずらして傾け て踊る、オフ・バランスがよく使われていました。

 

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