HOME映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」☓Chacott 特設ページ福井商業高校 「JETS」五十嵐裕子先生インタビュー
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インタビュー02
  • 3月11日(土)公開 映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」のモデルとなった、福井商業高校「JETS」五十嵐裕子先生にお話を伺いました。 (聞き手:チャコット株式会社 井上和幸)
  • ◆福井商業高校「JETS」が映画化されるとの依頼があったときは、どのようなお気持ちでしたか?
  • 2015年3月、TBSの平野隆プロデューサーから学校に電話があり「JETSを映画にしたい」と言われ、大変驚きました。平野さんが、ニュースでJETSが全米チアダンス選手権大会3連覇したことをたまたま目にされたことがきっかけです。金曜日のニュースをご覧になり翌週月曜日には、お電話をいただきました。私は、JETS(自分も含め)が、テレビやメディアに出ることをあまり良しとしてきませんでした。学校生活や大会に支障が出ると判断しているからです。ですから、これまで地元の取材以外はほとんど断ってきました。ただ、「映画」の場合は、自分たちが出演する訳ではありませんから話は別だと。
    また、「チーム結成から3年で全米チアダンス選手権大会優勝」というJETSに起きた出来事は、まさに「映画」のようでしたから、きっと皆さんに元気と勇気をお届けできる内容ではあるなと思いました。それに「チアダンス」という超マイナーな競技を日本全国に知っていただける絶好のチャンスだとも。こんなに素晴らしい競技なのに、まだまだ知らない人が多すぎますから。
  • ◆顧問教師を天海祐希さんが演じますね?

  • ※JETS顧問役の天海祐希さん
  • これも驚きでした。日本を代表する大女優さんですから光栄極まりない話です。随分前、天海さん主演のドラマで「女王の教室」という番組が放送されていた頃、私のクラスの生徒たちが、私の厳しい指導に「うちは実録版『女王の教室』だ」と嘆いていたことを思い出しました。JETSの指導もチームの立ち上げ期は、相当厳しく指導しましたから、「鬼教師」時代の私を演じていただくには天海さんがベストだと思いました。引き受けていただき本当に感謝しています。
    現在は、生徒たちが自主的に練習するようになり「鬼教師」ではなくなったと思っていますが、生徒たちはどう思っているかは定かではありません。
  • ◆「JETS」に入部するメンバーは経験者が多いのでしょうか?

  • ※初心者のひかりは、スパルタ指導も素直に受け入れる
  • 初代メンバーは、ほとんどが初心者でしたが、現在は経験者と初心者は半々ですね。私は、経験の度合いよりもどれだけ「素直」に指導を受け入れ、積極的に本気で練習するかによって成長が決まると思っています。JETSでは、初心者が経験者より上手になることはよくあることです。これまで歴代のキャプテンも初心者のほうが多いですね。いかに人間性を磨くことがダンスの上達につながるか、それが理解できた生徒から変化していきます。生徒それぞれにターニングポイントがありますから、私も生徒も最後の最後まであきらめない努力をします。
  • ◆全米選手権大会で優勝するために何か特別な練習を行ったり対策を立てたりするのですか?
  • 具体的に言えるとしたら、本番にピークをもっていくようにすることくらいでしょうか。それと、全米選手権で演技し、優勝しているシーンを鮮やかにイメージすること。脳をトレーニングすること。それ以外は、特別な練習や秘策があるわけではないと思います。毎年大会に向けて、挑戦者として謙虚に臨み、目の前のことだけに専念するよう心がけています。
    あと、自分たちを支えてくれる全ての物事に対して感謝の気持ちを持つように指導しています。両親・家族・友人・コーチ、そして練習ができる環境などなど挙げたらきりがありません。JETSは「前田千代コーチ」というカリスマコーチに指導していただいたことも幸運でした。千代先生には、大変感謝しています。現在は、初代メンバーの三田村真帆がコーチを引き受けてくれているのもありがたいです。そういう他者への感謝と、最後は、がんばっている自分自身にも感謝できるとパワーがみなぎって本番に最高の演技ができるようですね。

  • ※JETSの練習風景 五十嵐先生の教え通り「明るく素直に美しく!!」
  • ◆映画に出てくる「恋愛禁止」「おでこ全開」「ネイル禁止」のルールは本当ですか?
  • 本当です。部活動はあくまでも学校教育の一環ですから、ルールを守るのは絶対です。ただ単にダンスが上手な生徒を育てたいわけではなく、チアダンスを通して、人を励ますことのできる「チアリーダー」らしい生徒を育てたいと思っています。ですから、チームのモットーは「明るく素直に美しく」。人としてどうあるべきかということを大切にしています。また、福井商業高校は「文武両道」を大切にしている学校です。勉強がおろそかになっている生徒は、活動に参加させないこともあります。数年前には、チーム自体を大会に出さなかったこともあります。とにかく指導は、徹底して行うようにしています。

  • ※厳しいルールに、最初は戸惑うひかり
  • ◆創部当時とくらべて、学校内や地域での評価も上がったのでは?
  • 私が、部活を指導し始めた時は「応援」を主な活動にしており、その当時も部員が50名ほどの大所帯でした。練習は、毎日2時間ほど行っていたのですが、決して中身の濃い練習ではなかったんですね。どうせ練習するなら、生徒たちにとって有意義な時間を過ごし、かけがえのない高校生活を送ってほしいと思いました。
    その当時、神奈川県立厚木高校IMPISHさんが全米選手権で優勝したことが話題になっており、自分もアメリカを目指すチームを創りたいと思ったのがJETSのはじまりです。幸運にも、IMPISH顧問の伊藤早苗先生にお会いする機会があり、その指導方法を学ばせていただきました。部活は、教育の一環であり規律を重視すること、生徒の自主性を尊重することなど、共感できる点が数多くありました。「目から鱗」とはまさにこのことで、伊藤先生との出会いがあったからこそJETSも全米選手権で優勝できるようなチームに成長できたのだと思います。
    しかし、チームを立ち上げた当時、学校では新たなことをし始めたことで、白い目で見られることも多く、初代メンバーは随分つらい思いをしました。逆風の中、よく最後までやり遂げたと思います。その後も、後輩たちが先輩の伝統を引き継ぎつつ、先輩を追い越してきたことで、現在のJETSがあります。
    今では、学校でも地域でも応援されることが多くなり、本当に感謝しています。

  • ※福井商業高校の玄関にはトロフィーがずらりと並ぶ このガラスケースは「チア☆ダン」
    の劇中で実際に使用されたもので、撮影終了後に贈呈された。
  • ◆目標を高く持ちたい。
  • 創部した当初は本当にゼロからのスタートでしたが、やるなら1番をめざすこと、アメリカの大会で優勝すること、初めから目標をはっきりさせてチーム作りを考えました。もちろん周囲からはあまり相手にされていませんでしたけど、、実績もないのに当然ですよね。
    アメリカの大会で優勝するという目標を達成するためには優秀なコーチは欠かせないと思いました。私は全米選手権で何度も優勝経験のある日本チアダンス協会の前田千代さんにお願いする以外の選択肢以外はないと思い、大胆にも直接お手紙を書いてお願いしたんですね。結果、幸運にも指導していただけることになりました。今思えば、よく受けていただいたと思います。初心者のチームの為に東京からはるばる福井まで来ていただけたのですから、どれだけ感謝してもしきれないです。映画を引き受けた理由のひとつには、チアダンスの普及を目指す千代先生と日本チアダンス協会への恩返しという意味もありました。
  • ◆福井商業高校「JETS」のメンバーは卒業した後どんな道に進まれていますか?
  • 大学でチアダンスを続ける生徒もいます。ダンス関係のお仕事ですと、有名テーマパークなどのダンサー、チアダンスやダンスのインストラクター、もちろんダンス以外にキャビンアテンダントやグランドスタッフなど航空関係、専門職ですと、看護師や警察官に消防士など様々です。あと「チャコット」さんのカタログモデルをさせていただいている卒業生は、関西にある有名テーマパークのダンサーですよ。
  • ◆全米選手権大会に出場して思い出に残った事はありますか?
  • センターポジションが2名とも大会直前で体調不良やけがでリタイヤしてしまったことがあります。しかし、他のメンバーが今まで以上の力を発揮し、逆転優勝につながりました。私は、こういった逆境こそが人を強くすると思っており「ウェルカムピンチ」という言葉で、いかなる状況にもあきらめない強さをもつよう指導しています。
    逆につらかった思い出は、私の厳しい指導に耐えかねたある学年が一斉に退部してしまったこと。退部する生徒が、職員室の私の机の上に次々とユニフォームを積み上げていくんですね。自分の未熟さの結果そうなってしまった訳ですが、本当につらかったです。彼女たちには本当に悪いことをしたと思っています。
  • ◆最後に(聞き手より)
  • 五十嵐先生の信念が伝わるインタビューでした。
    プロチームとは異なり、高校生のチームは毎年メンバーが変わります、
    どんなに素晴らしい結果を残しても、やがてその生徒たちは卒業してチームを去って行くのです。全米選手権を6回制覇した実績があれども、次の地区大会に向けて、また一からチームを作り上げなければなりません。
    学校の部活動として限られた時間の中で、先生ご自身の考えをブレずに実践していくこと、貫いていくことがとても大切なことであり、その積み重ねが結果に結びついていくのだと強く感じました。映画の予告編にも出てくる「近道なんてなかった」とはまさにそのことです。
    本文中にもあるように、五十嵐先生はテレビやメディアに出ることをあまり良しとしてきませんでした、学校生活や大会に支障が出るからです。
    しかしながら、映画「チア☆ダン」を通して「チアダンス」と「福井商業JETS」がさらに全国の注目を浴びることになり、そんな最中に「福井商業JETS」は2017年3月3日~5日の全米チアダンス選手権大会(NDA主催大会)に出場します、映画「チア☆ダン」の公開日がその直後の3月11日であることを考えると、五十嵐先生の周辺は各メディアの取材や情報発信で、かつてないほど賑やかになってしまうであろうと思います。
    いつもと違う賑やかさの中ではありますが、五十嵐先生と「JETS」のメンバーはアメリカでどのような活躍を見せてくれるのでしょうか、とても楽しみです。
  • ◆五十嵐裕子 プロフィール

  • 五十嵐裕子 福井県立福井商業高等学校 保健体育科 教諭

    2006年 チアリーダー部JETSを立ち上げる。
    2009年 チーム結成から3年で全米チアダンス選手権大会初優勝に導く。

    初優勝から現在まで通算6回の優勝を成し遂げている。 (2017年2月現在)

  • ◆井上和幸(聞き手)
  • チャコット株式会社
    福井商業高校チアリーダー部 JETS を創部から現在まで担当する。
    映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」
    では大会用コスチュームを衣装を担当した。
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